佐藤浩市&火野正平、被災地への思いを語る「負の遺産を遺産としてバトンをつなぐ映画」

2020/02/12 15:44 配信

映画

3月6日(金)全国公開の映画「Fukushima 50」大阪での舞台挨拶に登壇した佐藤浩市と火野正平(C)2020『Fukushima 50』製作委員会

3月6日(金)に全国公開される映画「Fukushima 50」の特別試写会が2月10日、大阪・なんばパークスシネマにて行われ、佐藤浩市火野正平が舞台あいさつに登壇した。

本作では、共に現場の最前線である中央制御室の同僚を演じた佐藤と火野。プライベートでも長年の付き合いがあり、10歳以上の年の差ながら、佐藤が火野のことを「しょうへいちゃんと呼んでます(笑)」と明かすなど、終始、2人の仲の良さがにじみ出ていた。

2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災によって起こった福島第一原発事故。本作は、門田隆将のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)を映画化したもので、現場では本当は何が起きていたのか、家族を、そしてふるさとを守るため、死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざる“真実”が描かれている。

今から25年前の1995年に阪神淡路大震災を経験している関西の方たちに、本作を見てもらった心境を聞かれた佐藤は、「まずこの作品の一般試写会が行われたのは福島でした。この映画の中には津波・地震のリアルなシーンが多々入っております。そうした映像を見ていただくことは緊張感もあり、正直怖い気持ちがあります。ただそれを皆さんに踏ん張って見ていただくことで、明日につながる作品だと思います。阪神淡路大震災で被災された方々、それを生々しく記憶されている方々にも、本作をよろしくお願いいたしますと伝えたいです」と、本作の活動を通して伝えてきたメッセージを送った。

一方、火野は「震災当時は外にいて、TVのニュースでこれはまずいことになっていると思っていても、実際に何が起きているかは分からなかったんです。それでもこの映画を見ることにより、原発内で起きていることが分かってもらえる映画だと思います」とコメントした。

次に、本作に出演することを決める上で考えたことを聞かれた佐藤は「正直、題材としてもまだ早いんじゃないか、危ないんじゃないかと思いました。それでも監督から、この映画は最前線にいた職員を中心に描きたいという思いを告げられて、そういうことなら最後まで一緒に走ろうと決めました」と、若松節朗監督のとのやり取りを語った。

対して火野は「この映画を作っていいのかなと思いました。俺たちが演じた方々は、現場から逃げることができないのなら、そこで闘おうという思いで現場にいたと思います」と続けた。

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