佐藤浩市&火野正平、被災地への思いを語る「負の遺産を遺産としてバトンをつなぐ映画」

2020/02/12 15:44 配信

映画

3月6日(金)全国公開の映画「Fukushima 50」大阪での舞台挨拶に登壇した佐藤浩市と火野正平(C)2020『Fukushima 50』製作委員会

佐藤「自転車に乗っているだけではないんだ!」


次にMCから、火野が自転車で日本全国行脚をしている話になると、「自転車で全国をまわっているんですけど、日本はどこに行っても被災地なんですよ。どこに行っても元被災地なんですよ。そうした国に住んでいることへの自覚と、日本人って強いな、立派だなと思います。被災して2年目に自転車で福島に行ったんですけど、そうしたら現地の方から『火野さん頑張れ!』って声をかけられて、逆に応援してもらって、日本人って強いな、美しいなと思いましたね」と、被災してから福島を訪れた際のエピソードを披露した。

古くからの付き合いである2人だが、佐藤は「火野さんがこの作品に出てくれるとなった時に『この人は自転車に乗っているだけではないんだ!』と思いましたが、本作には、旧知の先輩である火野さんと平田満さんがいてくれたことが気持ちの面で本当に助かりました」と先輩である2人に感謝を述べた。

東日本大震災当時のことを聞かれると佐藤は、「撮影が終わってコンビニに立ち寄っている時で、外に出ると信号機が揺れるくらいで、家族の安否をすぐ考えましたね。“あの時何していた”っていうのがキャスト、スタッフの合言葉でした」と述懐すると、火野は「ラジオ、TVを聞いていましたね。阪神淡路大震災の時は京都の撮影所から琵琶湖にいて、撮影していていいのかなと思っていましたね」と25年前に阪神淡路大震災当時のエピソードも交えた。

本作が73の国と地域での上映が決まっていることに対して、佐藤は「Fukushima50という言葉は海外のメディアがつけた言葉で、その方たちにはどう見えるのか含め、それよりもまずは日本に住む方々にどう見えるのかですよね」とコメントした。

最後に火野は「とにかくたくさんの方に見ていただきたいです」とあいさつすると、佐藤は「桜は人間のために咲いているわけではないけど、人間はそのせつな的な美しさに思いを馳せます。災害は深い爪痕しか残しません。そうした負の遺産を遺産としてバトンをつなぐことができる映画だと思います。皆さんよろしくお願いします」と感謝を込めてあいさつし、イベントは終了した。

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