'90年代以降の日本映画界で、メジャーからインディーズまで幅広い作品に出演し、独自の個性を発揮してきた俳優・浅野忠信。近作の「これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫」('10年。公開は'11年)での“バカ”になりきった赤塚不二夫役も印象的だった彼が、アメコミを映画化した3Dアクション大作「マイティ・ソー」に出演し、ハリウッドデビューを飾った。「マイティ・ソー」は、神の世界から人間界に追放された最強の戦士ソーが、神の世界と地球に訪れる危機を救うため戦う物語。ソー役を務めるのは新星クリス・ヘムズワース。そして地球の科学者のヒロインを、ことしのアカデミー賞主演女優賞を獲得したナタリー・ポートマンが演じている。同作は一足先にアメリカで公開され大ヒット、日本でも7月2日(土)からの公開が決まっている。ソーの護衛のひとりである戦士のホーガンを演じている浅野に、この作品について聞いた。
――ハリウッド大作に出演というのは驚きでした。出演のきっかけは何だったんでしょう?
おじいちゃんがアメリカ人で、以前から僕のルーツにアメリカがあるというのが気になっていたんですね。それでこの世界に入って、いつかアメリカの映画に、自分の血が入っている国の映画に出てみたいと思っていました。
――浅野さんの役どころは、ソーの護衛をする、日本の侍のような戦士ホーガンです。役作りはどのようにされましたか?
英語が全然しゃべれないので、語学的な面での役作りはやりましたね。少ないながらもセリフいただいていたので。それとアクションのトレーニング。僕はありがたいことに寡黙な戦士の役だったので、英語話せない自分が現場でみんなの中に寡黙でいるというのがうまく生かせるんじゃないかと思い、普段の撮影以外の部分もほとんどひとりでいました。
――撮影の中で最も印象に残ったことは何でしょう?
いろんな面においてみんな直截的でしたね。もちろんこの映画作りもそうですが、普段の生活から直截的なコミュニケーションが行われている。朝起きて、現場に行ってみんな朝からしゃべり倒す。おなかが空いたら「おなかが空いた」とはっきり言う。日本の人だと遠慮したりだとか我慢したりというのがあるかもしれないけど、そういうことはなく、みんな思ったことを常に口にする。それはすごく面白かったです。
――「マイティ・ソー」はアメコミ原作で、「アイアンマン」('08年)や「インクレディブル・ハルク」('08年)など他の作品とも設定が繋がっていたりと壮大です。アメコミについてはどう思いますか?
面白いなと思います。コミックを映画化して、コミックと違う面白さとして受け入れられている。それはやっぱりうらやましいです。子供たちにとっても夢があるなと思いますね。
――「マイティ・ソー」の後も、キアヌ・リーブスと共演する「47 RONIN」(来年12月公開)などハリウッド作品への出演が続きますね。
チャンスがあったらやっていきたいですね。日本国内だけで映画を作らなくてはいけない理由はないですから。必要ならばアメリカのカメラマン呼んで、イギリスのレコーディングのスタッフ呼んで、日本のキャストで、中国の監督呼んで、ということができる世界なので、そういうチャンスがあれば僕もやってみたいです。
なお、このインタビューの模様は、BS・CS放送のスター・チャンネルで6月20日(月)よりオンエアされる。また、6月の同チャンネルでは「アイアンマン2」('10年)も放送。「アイアンマン2」のラストは「マイティ・ソー」とリンクしているので、劇場で「マイティ・ソー」を見る前にぜひチェックしたい。
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