また、本作のこだわりはワンカット映像だけでなく、物語が展開する美術セットにもある。全編通して歩き回る数キロの長い塹壕は美術チームの手によって、ゼロから制作されたという。
プロダクションデザインを担当したデニス・ガスナーは「大変な作業量だ。何もない平地でゼロから作り上げたからね」と苦労を明かした。
また、デニスのもとで美術監督を務めたエレイン・クスミシュコは「当時、第一次世界大戦は長期間に及ぶ戦争になると考えられていた。でもイギリスは窮地に追い込まれていて、それ対しドイツ軍の塹壕はコンクリート製で膨大な労力がかけられていた」と自身の分析を語った。
この徹底したこだわりは俳優の演技にも影響を与えたようで、主人公のスコフィールドを演じたジョージ・マッケイは「リアルさに刺激を受けた」とコメント。
また、ブレイクを演じたディーン=チャールズ・チャップマンは 「役と場面に没頭できた」と明かし、続けて「塹壕の撮影は屋外だったから雨を遮るものはなかった。大雨が降ってきたときに、ふと大勢のエキストラたちを見ると、彼らは軍服を着たまま、少しでも雨をよけようと小さなメタルの下に密集していた。そのときに100年前もまさに同じ光景だったんだと痛感した」と撮影時のエピソードを語った。
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