中盤、メンバーは初めて立つさいたまスーパーアリーナの高いスタンド席を見上げて「デカいね。上のほうの人は落ちちゃいそう(笑)」と初々しい感想を口に。そして、センターステージへ移動するとアコースティックコーナーに突入。
披露されたのは、2019年にリリースされたアコースティックアレンジ盤『THE PLUGLESS』収録の「終焉レクイエム」。バンドアレンジとは一味違う繊細なサウンドは、その曲に込められた孤独や絶望の色合いを一層強く浮き彫りに。
そして、美しくも切ないミディアムバラード「Love Letter」では観客がスマートフォンのバックライトを灯し、会場に光の大海原のような幻想的な景色を描きだした。
再びメンバーが正面ステージへ戻り、2019年にリリースされた最新ナンバー「無告」を披露すると、ライブはいよいよクライマックスへ。
「俺の人生が変わったのは2011年5月2日の渋谷AXだった」という言葉とともに披露されたのは、Hiroがバンドを組むきっかけを与えたロックバンドPay money To my Painのカバー「Weight of my pride」。
小さなライブハウスから始まった彼らの「物語」が、8年という歳月をかけてさいたまスーパーアリーナまで辿り着いた感慨を、万感の思いを込めて届けていった。
そこから、ダンスミュージックの要素を取り入れた「MONSTER」や「ACCIDENT」、初期からのライブアンセム「モノクロエフェクター」といった狂騒的なナンバーを間髪入れず畳みかける。
そして、 「俺の生きる理由はただ一つ…、お前たちと生きていくことだけだ! 愛してるよ、さいたま~!」と叫んだ「With You」では、 最高潮の盛り上がりに達した観客の頭上を銀テープが舞い、大きな歓声に包まれた中ライブは幕を閉じた。
この日、Hiro(Vo.)はステージで「この世界は俺がいなくても変わらずに動いているかもしれない。でも、明日も歌っていることで、変えられる世界があると信じて、ロックバンドをやっている」と宣言するなど、インディーズバンドの限界を越え、ロックシーンの頂点を目指すマイファスが貫く信念を強く刻みつけるようなライブに。
「もっと楽に生きる道があったかもしれないけど、俺たちには叶えなきゃいけない夢がある」と覚悟を決めたMY FIRST STORYにとって、この場所での初ライブは“偉大なる通過点”となった。
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