「あと3000年、いや、4000年生きたい。日本の行く先を見守りたい」
これほどまで日本国へ人生を懸けたのか…そんなふうに思う吉田茂の言葉と共に締めくくられる本作。実力派キャストが集結した骨太な物語は、見応えがあった。
鶴瓶自身も「吉田と自分があまりにそっくりで驚いた」と言っていたが、はまり役キャストは他にも。ダンディーなイメージの白洲次郎役・生田斗真は、白髪交じりのオールバックで、白スーツを着こなしていてかっこいい。主義主張を貫き、米国から“従順ならざる唯一の日本人”と呼ばれた白洲。GHQ要人に対して英語で迫るシーンもあるが、聞き取りやすい生田の英語力は驚きだった。
この間までグレーのスエット姿で屁理屈ばかり言っていた、“ニート”とは思えない…(2019年10月期、日本テレビ系ドラマ「俺の話は長い」より)
そして、生家が広島の醸造元である池田勇人を、同じく実家が酒造業を営む佐々木蔵之介。“国民の愛人”のキャッチフレーズでブレークした橋本マナミは、“GHQの愛人”子爵夫人として登場する。レトロでかわいい戦後ファッションに身を包んだ新木優子は、上品な魅力が溢れているし、松嶋菜々子のこりんは、まさに大和撫子!
激動の政治状況が描かれる中、吉田とこりんのシーンは唯一ほっこりした。「バカヤロー解散」で知られる吉田だけに、劇中にも色んなパターンの「バカヤロー」が出てくるが、こりんへの「ばかやろぅ」にはハートマークすら見えた。
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