――岸辺家と秋葉家のキャスティングも素晴らしかったですよね。お母さんの房枝役に原田美枝子さん、綾子の夫の光司役は安田顕さんで、娘の春海役は清原果耶さんでした。
絶妙のキャスティングだねと、いろんな方に言われました。原田さんは本当に可愛らしくて、でも母の強さもある。ああいう風に満を放っておいて、信じて見守るのって難しいことだと思うんです。でも、時々何も考えてないようなことを言うし、と思ったら逆に芯を食ったことも言う。そういう房枝さん役にぴったりだったなと思います。
果耶ちゃんは、45歳ぐらいの女優の落ち着きがあるんですよ(笑)。私がいろいろイジるとやめてくださいよーと言ったりもするんですけど、基本的にはクールビューティー。だけど、あの年齢(撮影当時は17歳)で「ちゃんと気持ちが動かないとセリフが言えない」ということをスタッフさんに言えて、しかも言った分だけ自分のプランを提示できる。素晴らしい女優さんだと思います。そしてヤスケンさんは色気もあって、魅力的な俳優さんだと思います。
――キャストのお誕生日にケーキを囲んで写真を撮られている様子が本当の家族のようでしたが、現場でもあのままだったんですか?
はい。岸辺家のままでした。ヤスケンさんがぼそぼそとしゃべっていて、お母さんに「やだ、何しゃべってたの?」ってツッコまれたり。斗真が果耶ちゃんを「大丈夫か?」って気遣っていたり、私はみんなにいろいろツッコミながら、ぺちゃくちゃずっとしゃべってました。それって、実はなかなか難しいことだと思うんです。性格の根本的なところの似ている人が集まったのかもしれないですね。そして、みんな芝居が好き。
長回しで撮影したのは、斗真が「切らずに、一連で撮りたい」と言ったからで、それだったらとみんなで励ましあいながら撮影したんです。誰かが間違えると、絶対伝染するところも家族っぽかったなと思います(笑)。
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