――30分の2本立てという作りは、演じ手としてはいかがでしたか?
1話に2つあって全部で20話だったので、ゴールが遠い気がしました。1話を撮影する時間は短いはずなんですけど、毎話にリング上で殴り合いをしているようなセリフの応酬があったので、まだ5話なんだ…と。やってもやっても終わらない感じがありました(笑)。
――お好きなエピソードを一つ挙げていただくとすると?
そうですね。いろいろありますが、第5話其の九の「銀杏と爪切り」です。あそこで、初めて弟と二人っきりでじっくり話をするんです。ですから、見る方に新鮮に受け止めてほしいと思いつつ、姉弟として積み重ねてきた時間が見える説得力も必要なので、細かくリハーサルをしました。姉と弟としての顔を互いにどう見せ合っているのか、普段ツッコみ合っているシーンとは違う顔を提示しないといけない。
しかし、娘の春海が話に加わって母になる瞬間は空気が変わらないといけなかった。私だけでなく、斗真がどう出てくるのかなどを中島監督に細かく演出していただきました。
――一つ一つを丁寧に作り上げたからこそ、出来上がった家族像だったんですね。
ちょっと時間が経ったので、もう一度、1から見たいです。私の周りの人は最低3回は見たいと言っていました。1話30分だから見やすいというのもあると思うんですけど、そう言ってもらえるような本当にいい作品だったなと思います。
1話ごとのテーマを食べ物に引っ掛けているところも素晴らしいですよね。私の周りでは、見た翌日にすき焼きやカボチャを食べている人もいて、そうしてドラマと生活が繋がるところもうれしいなと思いました。やっていて本当に楽しかったので、「終わるのやだー」と打ち上げでも言っていました。でも、こういうのって、惜しまれつつ終わるのがいいんだろうねー。いい思い出で終わるのがいいんだよ!と言ったりも…。
――この後、満が本当に議員秘書になったのか?など、気になります!
見たいですよねー。(近所のお金持ちの)檀野さん(長谷川初範)の別荘がハワイにあるので、みんなでハワイに行く話をやりたいねって話してたんです。ハワイ・スペシャルを! それで満が「アロハなんて着たくねー」って言って、全然話が進まないとか(笑)。いくらでも続きのできてしまうお話だと思うので、金子さんが頑張ってくださるなら、私はやりたいですし、また家族に会いたいです。
取材・文=及川静
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