――今回は、DREAMS COME TRUEのテーマソング「G(ジー)」がエンディングで流れています。エンドロールの映像は、テーマソングの完成を待ってギリギリの作業で完成したとお聞きしましたが、こだわりのポイントを教えていただけますでしょうか。
富野由悠季:吉田美和さんのボーカルに負けないようにエンディングロールを作らなければならないという状況ながら、とにかく制作時間がないわけです。そのため、こういう形になりました、という言い方もできます。逆に言うと、兼用の絵しか使えないからこそ、こういう仕上がりにできて、おそらく時間があって「Gレコ」のキャラクターを使って新しい映像をつけていたら、絶対に負けていましたね。
というのは、歌詞を見てもらうと分かるんですが、吉田美和という天才的な作詞家の詩は大変なものだと思っています。「Gレコ」のことをものすごくよく知っていて、ものすごくよく調べて書いている。単なる請け負い仕事ではないんですよ。ここまで読んでいてくれる第三者がいるときに、馴れ仕事で新作カットをつけたらめちゃくちゃに負けた気がするので、こういうふうに仕上げられて良かったなって思っています。エンディングの絵もスタッフロールも見られなくて煩わしいかもしれませんが、楽曲の勢いに負けないようにするためには、僕はああするしかなかったんです。
一方で、ドリカムの「G」のPVにも「Gレコ」の絵を使ってくれることで、ようやくこの作品がメジャーな装いを持つことができたのは、ありがたいです。そして、それもこれも、吉田美和という女性がこちらの思っていることを全部見抜いていてくれたおかげですね。本当に感謝しています。
(そして質疑応答の後、舞台挨拶の締めとして改めて富野総監督からメッセージが伝えられた)
富野:本日はお忙しい中、ご来場ありがとうございます。ようやく2本目が終わりましたということで、あと3本ありますし、これ以後の宿題として、DREAMS COME TRUEに負けないように、底上げしたものを作品にできたらいいと思っています。おそらく今思っている予定で行けば、吉田美和さんには怒られない第5部までは行けるのではないかという自惚れもあります。そういう意味では、アニメのキャリアが持っている部分では、「ドリカムに負けていられるか」という部分を示しているつもりでもいますので、最後まで応援していただけるとありがたいです。本日はどうもありがとうございました。
劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」は、東京・新宿ピカデリーほか全国29館で、3月5日(木)まで上映中。
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