――「死にたい夜にかぎって」に出演が決まったときはいかがでしたか?
賀来:今作は、冴えない男と、とても元気でオープンだけど心が強くない女性の物語。
そこにすごくドラマがあるわけでも、分かりやすい出来事が起こるわけでもないんだけど、2人のやり取りが妙に泣けたり笑えたり、いろんな要素が詰まった作品だなって。
実はそういうドラマを一度やってみたかったというのと、監督も長くお付き合いのある方だったので、喜んでお受けしました。
山本:最初にお話を聞いたとき、「今の自分がやるべき作品だな」って思ったんです。ことしでデビューして10年目なんですけど、こういう役はやったことがないし、新たな経験として挑戦してみたいと思いました。
――それぞれが演じる役の魅力は?
賀来:僕が演じる小野浩史は、幼くして母に捨てられ、その後も女性に振り回され続ける大変な人生を過ごしてたきた男。人間としても決して強くはないんですけど、山本さん演じる(橋本)アスカに出会って、少しずつ笑顔を取り戻していくんです。
劇中では、うつ病のアスカに首を絞められたり、いろいろディープな出来事も起こるんですが、浩史は全てを受け入れるというか。結構ポジティブに捉えるんです。
「まぁいっか」で乗り越えられるのが浩史の魅力だし、そこに彼の全てが集約されている気もします。人間らしいピュアなキャラクターですね。
山本:アスカはすごく明るくて真っすぐな子なんですけど、彼女が「普通」と思ってることは周りからすると普通じゃない。例えば、(変態に)唾を売って生計を立てるとか。
浩史と出会ってからは、ちゃんと仕事をしようと頑張るんだけど上手くいかなくてうつ病になったり、自分と離れたほうが幸せになれるんじゃないかと思って浩史の首を絞めたり…。
すごく難しい役ですね。でも笑うときは素直に笑うし、本当に浩史のことが好きなんだなっていう姿が可愛らしくて。そこがアスカの魅力かなと思います。
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