旅は続く。現地に赴き、過酷な旅の果てに見た絶景の美しさは計り知れないが、本番組では最新技術を駆使し、ドローンによる絶景が延々と広がるヒマラヤが映し出される。
それはまさに、「うそみたい」な光景であり、空の青さよりも濃い湖や四季を通して表情を変える山々、歴史的建造物や動物たちなどを、テレビの前で鮮明に目に焼き付けることができる。
道中、友寄氏は後ろを振り返り、「前でみる壮大な風景より、振り返ってみた風景の方がきれいに見える」「思い出があるからかな」と何気なく語る場面がある。大谷氏も「とてもいい表現ですね」と答えるのだが、すばらしい表現だなとしみじみと感じた。
こんな具合に、友寄氏や大谷氏が絶景を前にして何気なくこぼす一言には、スっと胸に突き刺さるような威力があった。
そして、今回の目的地であるティンギュー村の人々たちとの邂逅こそが、このドキュメンタリーが“今”見るべきものであることを証明している。
ティンギュー村では、世界初の映像となる“奇祭”、そして年越しからお正月にかけて密着。標高4750メートル、気温マイナス16度の世界は圧巻だ。
そんな、途方もない150日が凝縮された2時間半、彼らの旅を追体験するかのような映像の数々を吟味してほしい。
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