SURFACE解散から1年でソロ1stが完成 年男・椎名慶治は性格が“ラビットマン”?

2011/06/11 07:00 配信

音楽

SURFACE解散から1年でソロ1stアルバムをリリースした椎名慶治

デビュー曲でドラマ主題歌となった「それじゃあバイバイ」などのヒットで知られるSURFACEの解散から1年。椎名慶治が、6月8日リリースの1stフルアルバム『RABBIT-MAN』でソロ活動を本格始動。歌詞やボーカルなど独特の持ち味を生かしつつ、新たな試みも取り入れた記念すべき1stアルバムについて聞いた。

――1stアルバムの構想はどんなふうに考えたのですか?

「年明けから共同プロデューサーの山口寛雄と考え始めて。まずバラードは欲しいなとか、ハジけた曲もあった方が、とか、今までやったことのないテイストも…って、全体のバランスを考えて12曲を決めました。ただ、“椎名慶治”の1stなので、ストレートに自分を伝えられるものにしたいという思いはありました」

――アルバムタイトルでもある“RABBIT-MAN”というキーワードは?

「3曲くらいできたころに、マネジャーとの打ち合わせ中に出したテーマが、椎名慶治の今は、素晴らしく美しいものっていう意味を込めた“ライフ・イズ・ビューティフル”。あと、うさぎ年で年男なので、“ラビットマン”っていうのも思い浮かんでるって話しました。その後、『RABBIT-MAN』という曲の歌詞を書いた時には、もうアルバム名は『RABBIT-MAN』だな、と。“ライフ・イズ・ビューティフル”って思いも、“椎名慶治の2011年”っていう意味も込めています」

――ウサギといえば、寂しがり屋なイメージもありますが、ご自身は?

「自覚はあまりないんですけど、周りには寂しがり屋だって言われます。あと、ウサギは目が赤いでしょ。僕はテレビを見て、1人でよく泣くんです(笑)。人前では泣かないけど、ファンの人が目の前で泣いたり笑ったり感情を出してくれるのはすごくうれしいし、『私はこの曲は嫌いです』とか言ってくれることもうれしい。僕の音楽を好きでいてくれているのになんでこの曲は嫌いなんだろう?って、分析したくなる。前の事務所の社長から、ライブのアンケートで楽しかったと書いてもらえるのは、何日もリハーサルをして準備しているんだから当然で、そこまでやって、それでも否定的な人がいたらその文章を受け止めろって言われたこともあって、アンケートはよく読みますね」

――ラブソングでいえば「いまさら好きだと伝えちゃダメかな?」のような、思いを伝えられない男性の話は身近にあるものですか?

「実体験ではないですけど、俺っぽいなって思います。相手に好きって言わないで終わってしまったこともあるので。でも、男性は外に出れば1日1回くらい女性を好きになっていると思いますよ(笑)。好きイコール付き合う、とかじゃなくて。そう考えると、俺っぽいというより、男性には共感してもらえるのかも」

――一方、「CALL」の主人公は女性ですが、歌詞はどういうふうに書くんですか?

「自分が女性に成り切ってます。男性のずるさにイラッとしてほしくて書きました(笑)。曲の中に「大丈夫?」ってセリフを入れてるんですけど、そこでさらにイラッとして、この男性を嫌ってほしい。女性目線で詞を書いたのはSURFACE以来2回目ですが、僕はすごく女々しくて(笑)、女性の気持ちに共感できることも多いので、また書いてみたいです」

――デビューから13年、年齢やキャリアを意識することや、変わってきたことはありますか?

「同年代の人だけに共感してもらえればいい、というんじゃなく、広がっていきたいですね。デビューしたころ小学生だった子たちはもう成人しているわけで、そこにも届くように頑張っているつもりですし。最近、一回り違う年齢の友人とよく会うんですけど、頼むお酒や服、音楽…すべてが刺激になります。話を聞くと、仕事と遊びをきっちり分けてるなと感じるけど、今僕は取材もキャンペーンもライブも“仕事”という感じじゃなく楽しめていて、それは今だからできるようになったのかなと思います」

――ソロ本格始動となりますが、メッセージをお願いします。

「SURFACEの時から応援してくれている人はもちろん、ドラマの主題歌を歌っていたなぁっていう認識でもいいので、毛嫌いせずに今の椎名慶治の曲に触れてみてほしいです。今回この記事で僕のことを知ってくれた人は、過去の作品を掘り下げなくてもいいので、『RABBIT-MAN』だけ手に取ってもらえたら。僕の歌詞は、上から目線で『頑張れ』っていう感じにはしたくないし、人の背中を押す、っていうのでもない。自分が素直に思っていることを書いているので、そこに共感してもらえるとうれしいです。東日本大震災の後に書いた「よーいドン」では、頑張れなんていらない、もうすでに頑張ってる、とか歌ってますけど、東北の皆さんはもうすでに頑張っていると思うんですよね。そういう人たちの元にも届けばいいなと思います」