「同期のサクラ」(日本テレビ系)、「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(NHK総合)など話題作への出演が相次いだ女優・橋本愛。ドラマや映画で独自の存在感を発揮しつづける彼女がこの春主演を務めるのが「連続ドラマW パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件」(毎週土曜夜10:00-11:00 WOWOWプライム)だ。ドラマの企画書を読んだとき「運命を感じた」と語る橋本。「生活保護」「貧困ビジネス」など複雑な社会問題を描き出す本作を通じて、彼女が紡ぎ出す希望とは? 作品に込めた想いを語ってもらった。
本作は柚月裕子の同名小説をドラマ化。橋本は、市役所の新人嘱託職員で、信頼していた先輩の死をきっかけに、福祉や市政、医療を取り巻く町の闇に巻き込まれていく主人公・牧野聡美を演じる。本作の一つのテーマとなるのは、生活保護受給者と直接向き合う「ケースワーカー」の仕事。聡美は、迷いを抱えながらも同僚の小野寺(増田貴久)とともに、多くの受給者たちに向き合っていく。
タイトルの由来となっているのは「組織では全体の約2割の人間が大部分の利益をもたらしている」と提唱した経済学者、ヴィルフレド・パレートによる「パレートの法則」。タイトルの「パレートの誤算」には「誰もがいつでも“8割”の方に転落する可能性があり、そこから這い上がる人もいる。だからこそ、弱者を弱者と切り捨ててはならない」という、生活保護をめぐる構図に対する警鐘が込められている。
――原作を読まれた感想は?
ものすごく面白くて、特に後半はページをめくる手が止まらなくなりました。生活保護であったり、社会の難しい隙間みたいなところを描きながらも、人としてのあり方であるとか、どう生きるかということを、ものすごく前向きに、希望を持って描いていて、これはちゃんと届けたいなと思いました。
もちろん、生活保護の良くないニュースがあったり、綺麗ごとが通用しない部分というか、希望を見せたところでお花畑だっていう言い分もあると思います。でも、理想通りにいかないことも分かった上で、希望を持って生きることが大事なんだということを全5話かけて、聡美ちゃんを通して見せられたらなと思います。
――今回、NEWSの増田貴久さんと初共演です。
増田さんは、原作で小野寺さんから受けた印象にすごく近いなって思いました。小野寺さんと聡美の関係性はすごく流動的で、シーンによって心の距離感が全然違っていて。毎回現場に立って出てくる感情が違うので、すごく面白いです。「バディ」ってこういう感じなのかなと思って楽しんでいます。
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