今井悠貴、“演じること”に向き合い続けた18年「人生の節目に結び付けられるような作品を作りたい」

2020/03/11 08:00 配信

ドラマ

「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」場面写真(C)ドラマ「ハイポジ」製作委員会


――学業との両立は大変でしたか?

芸能高校に進学しなかったんです。というのも、その高校が芸能活動OKだから入ったんですけど、実際は出席が厳しくて意外とお仕事ができなくて(笑)。なので、高校時代は長期休みの時だけお仕事をしていました。その間に、芸能高校に進んだ友達が、日本アカデミー賞の授賞式に出席していたりするんですよ。それを見て「選択を間違ったんじゃないかな」と思ったり(笑)。でも、高校生活がすごく楽しかったんですよね。小中学校は仕事で授業を休むことが多かったんですけど、高校生になって、やっと初めてちゃんと学校に行けたんです。普通の高校生を経験できたことが良かったなと思うし、その時間が今後活きる時は絶対に来るんじゃないかなと思っています。

「お芝居をやる理由」がない!?


――俳優という仕事で生きていこうと決めたのはいつ?

高校生って進路を決めなきゃいけないじゃないですか。僕は漠然と、将来はこの仕事で食べていくんだろうなって思っていたんです。だから周りに将来の夢が決まってない人がけっこういて、「え、何で決まってないの⁉︎」ってよくわからなかったんですよね。でもある日、俳優仲間のひとりが「俺が舞台をやりたいのは、お客さんとして劇場に足を運んでくれる人はみんな平等だから。格差とかジェンダーとか関係なく、フラットで平等だからそんな場所を作りたい」と話していて。それを聞いた時に、自分はどうなんだろう?って考えちゃったんです。自分がお芝居をやる理由がないということに気づいてしまったんですよね。

――自分はなんのために芝居をしているのか?ということですよね。

そうです。将来の夢って幼稚園の頃から聞かれるじゃないですか。小さい頃は「お花屋さんになりたい」とか「消防士になりたい」だとか答えて、小学校の時はその夢がぼんやり継続していて、中学生になると夢がわからなくなって、それが高校生になってますます見えなくなる。

僕の将来の夢って、幼稚園生が聞かれて答えるような夢からあまり変わってないんじゃないかなって考えたんですよね。幼稚園のまま止まってるのかなって……。すごく悩みましたね。小さい頃からお仕事させてもらってるから、それが生活の一部というか、人生というか……特別なものじゃなかったんです。

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