──今回は吹替版で観ました?
小沢「そう。実は誰が吹替をやってるのか、あんまり詳しく知らなかったんだけどさ、エンドロールを見てたら、ものすごいメンバーだったのね」
──細かいところでは、桜庭和志とか所英男とかの有名格闘家も声優として参加してます。
小沢「ビックリするよね。男色ディーノとかね(笑)。でも、やっぱりすごいのは、(主人公、リノの日本語吹替版の声を務めた)草なぎ(剛)さんだね。あの気だるい感じが、世界観にピッタリだったよ。もちろん、(リノの親友ヴィンス役の)柄本時生さんも、(リノとヴィンスの友人ウィリー役の)満島真之介さんもうまいしね」
──あの三人の組み合わせはハマってましたね。
小沢「決して気負わず、いい具合に肩の力が抜けてる感じがね。あそこでやりすぎちゃうとキツいけど、ちょうどいいカッコつけ方だから、映画にも入りやすかったし。やっぱりさ、男の子はカッコつけなきゃダメだなって思ったよ。俺はさ、“気取る”とか“キザ”っていう言葉を悪い意味に捉えてる人は、照れてるだけだと思ってて」
──そこを照れちゃダメだと。
小沢「そう。それを素直にカッコいいと思えない方が、よっぽどダサいんじゃないかと。今は『カッコつけることはカッコ悪い』って思われがちだけど、俺は『カッコつけることをカッコ悪いと思うことの方がカッコ悪い』って思うから(笑)」
──なんか早口言葉みたいになってますけど、とにかく男ならいつでもカッコつけようぜ、と。
小沢「そう思わせてくれる映画だったよね。言い方が難しいけど、ストーリーの細部を観るタイプの映画じゃないじゃん。木を見るのではなく森を見るというか。だって、細かい謎とかは最後まで分からないまんまだもんね。だからこそ、この世界の住人になった気分で、この世界をのぞかせてもらってる気分で観る映画だから。そういうところがアニメっぽいし、アニメだからこそやる意味のある映画だったんだなと思った、俺は」
──そんな今回の作品で、小沢さんが一番シビれたセリフは?
小沢「俺は納得いく自分になりたい」
──犯罪者と貧乏人の吹き溜まりであるDMC(ダーク・ミート・シティ)に生まれ育った通称“リノ”ことアンジェリーノはある日、ガイコツ頭の親友ヴィンス、ばかで臆病な友達ウィリーとともに、なぜか黒服の男たちに追われるはめに。なんとか難を逃れた夜、丘の上の空き地で流れ星を眺めていたときに、「リノの願い事は何?」とウィリーに聞かれたリノが応えたセリフですね。ちなみに字幕版のセリフでは「俺でない誰かになりたい」となっていました。
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