医療ものや刑事ものに押され、絶滅危惧種化されている恋愛ドラマを完全復活させた感のある「恋はつづくよどこまでも」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系で放送※最終回は15分拡大)。
ヒロイン・佐倉七瀬を演じた上白石萌音の演技はもちろん素晴らしかったが、佐倉への接し方の巧みさで視聴者をすっかりトリコにしてしまった“魔王”こと天堂先生を演じた佐藤健抜きでは、このドラマは語れない。
本日3月17日(火)の最終回放送を前に、佐藤健の恋演技を1〜9話まで一気に振り返ってみる。
まず、高校生の佐倉のまえに、フードをかぶって、スローモーションで登場。
道で倒れた老婆に素早く処置をしたのち、再びスローモーションで佐倉の“頭ポンポン”からのマフラーがけ。そのままやたらゆっくり救急車に乗る(スローモーションだから)。
5年後、佐倉と再会、「魔王」と呼ばれるクールガイで、好物のクリームパンすら苦み走った顔で食べるほどだが、子供の患者には最高の笑顔。ここもスローモーション。
1話は、佐倉が天堂に恋に落ちる回なので、ここぞという決めシーンはスローモーションなのだが、それ以外の天堂の動きがキビキビしているため、スローモーションが一層映えるのである。
佐藤健のすばらしさは、医師としての行動が身についているように、間をつくらず、素早いこと。廊下を歩くときも足早。鍛錬されていつでも闘える武士みたいなのだ。インシュリン注射を刺す場面なんてアクション映画かと思った。
この回のコート:厚みのある黒白のツイード セリーヌらしいとSNSで話題に。
佐倉と天堂の住んでいる部屋が隣だったこともあってふたりが急接近。
佐倉を抱きとめて、ちょっと背中に手をぽん、ぽんと優しくたたくところ、「おまえは“天堂担”だろう」とドSっぽくささやくところがこの回のピーク。
この回で注目したいのは、天堂先生の手。
天堂先生、何かと腰に手を当てる。座って足を組んでいるときも腰に手、佐倉に水をもってくるときも腰に手。そのときの腕の角度、骨盤あたりに当てた手指の開き方も完璧に美しい。
ドアによりかかる仕草もキマる。腕と足の角度が考え抜かれている気がする。
また、タオルをかぶる姿もキマっている。
通勤前はフードをかぶって手袋してジョギングして、到着するとシャワーを浴びているらしく、タオルを頭にかけて登場する天堂先生。黒のタートルネック、白衣…でキメキメななかで、ふいにこういう空きがあるところも良い。
この回のコート:黒のロングコート 全身黒が「魔王」感を高める。
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