少年に、「家に帰れない」「体を売るしか生きる方法がない」と思わせる社会はおかしい。
もしかしたら、周囲も、本人も、「ゲイだから生きにくい」と考えてしまっているかもしれない。いや、違う。「こんな社会だから生きにくい」のだ。
社会は変わらなければならない。
宗教は、子どもを守り、豊かに育むことに本来の目的があるはずだ。大昔、その目的を達成する手段として、人間のカテゴライズや行動軌範が作られたのだと思う。
しかし、そのカテゴライズや軌範のせいで、「家に帰れない」「体を売るしか生きる方法がない」と子どもに思わせているのだ。本末転倒ではないか。
大昔は、少数の人を切り捨てることで、社会を維持しようとしたのだろう。
でも、現代は違う。
全員が幸せになれる時代だ。
子どもがいる親としても、「新しい時代を作らなければならない」と身が引き締まった。
作家。1978年生まれ。『趣味で腹いっぱい』『リボンの男』、エッセイ『文豪お墓まいり記』『ブスの自信の持ち方』など。目標は「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。
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