<試写室>相棒最終回「僕としたことが!」連発!? 右京“推理力減退症候群”の疑い…?

2020/03/18 11:00 配信

ドラマ

上層部から“特命係一派”とみなされた青木(浅利陽介)も一緒に捜査(C)テレビ朝日


“杉下右京”と“特命係”に変化が


今回殺害された元東亜ダイナミクス社長の桂川は、第1話、2話「アレスの進撃」で元衆議院議員の片山雛子(木村佳乃)と登場し、その後も第9話「檻の中~告発」でドローン爆弾に関与したと疑われるなど度々登場した人物。

事件に少しずつ絡んでいながらの、最終回でまさかの被害者になってしまった彼がどのように事件とつながっていくのか…冒頭から筆者は推理力をかき立てられた。

そして、今回のもう一つの柱である右京の「推理力減退症候群」について。こちらも冒頭から亘が角田課長に相談する様子が描かれているが、確かに今シーズンの相棒は「僕としたことが!」の“うっかり右京さん”が多かったように感じる。

最終的にはきっちりと解決へと導くし、なんなら他のシーズン以上にキレッキレのアクションも多く披露したように感じる右京だが、見落としは多かったのかもしれない。

それを心配しているのは亘だけでなく、他の右京に近しい人も心配して(?)次々に右京に声を掛けるシーンはとてもほほ笑ましく思えた。なぜなら、厄介扱いされていた“杉下右京”という存在が第18弾の間で、変化した様をみせられたような気がしたからだ。

事件解決に挑む右京(水谷豊)と亘(反町隆史)(C)テレビ朝日


そして、それは右京だけでなく“特命係”という存在にも表れていた。今回事件の関係者の中には、政府直轄組織の人間や内閣官房長官など“政治”が関与してくる。そうなるとお決まりの「上からの圧力」で捜査は思うように進められない。

多くの刑事ドラマはここで誰かが犠牲になり強行突破を図るか、悔しい思いをしていたらダークヒーローが始末するという展開になるか…でも、相棒は違う。

ここで、捜査権のない“特命係”が動き出す。そして、最終回では正義を貫きたい多くの警察官が“特命係”を頼ってやって来る。もちろん、誰一人として「助けてー!」と言って“特命係”にやって来る者はいないが、遠回しな指示で事件への糸口を掴ませようとする。(そんな指示がなくとも、勝手に捜査してしまう人たちなんだが…)みんなが頼ってくることが、第18弾での大きな変化に思えた。

そして、右京、亘、青木トリオや、週刊フォトスの風間楓子(芦名星)との絡み、社美彌子(仲間由紀恵)に大河内監察官など、次々と出てくる出演者に最終回はオールメン状態!まさに集大成だ。そんなオールメンと、思わず右京も「厄介ですね…」と言ってしまう“映像”という完璧な証拠を見破るため奮闘する、“推理力減退症候群”なんて感じさせない結末が待っているだろう。

まだまだ見ていたいと思ってしまう相棒だが、第19弾があることを心待ちにしながら“特命係”の活躍を見守りたい。

上層部から“特命係一派”とみなされた青木(浅利陽介)も一緒に捜査(C)テレビ朝日


文=K.K

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