その言葉通り、劇中では恋をして幸せそうな2人の姿と、その一方で夢を追う中で擦れ違っていくやり切れなさが描かれており、今回解禁された場面写真でも、永田と沙希のそうした2つの側面を垣間見ることができる。
永田は“表現者“であろうとして虚勢を張っているが、沙希の前では安心しきった笑顔や純粋無垢(むく)な瞳を見せる。
その一方で創作をなりわいとして生きていくことへの不安や孤独も見せて、しばしばそのいら立ちを沙希にぶつけてしまうが、山崎の演技によってどこか憎み切れない男に。
かわいらしい笑顔と生気がない目で近寄り難い空気を発する時のギャップはすさまじく、髭を生やした外見もさることながら、演技の面でも今まで見たことのない山崎の姿を見ることができる。
そして沙希も、厄介な永田の全てを受け入れるような慈愛に満ちたほほ笑みを見せる一方で寂しい表情で涙を流したりと、劇中で多彩な表情を見せる。
「勝手にふるえてろ」(2017年)、「万引き家族」(2018年)、「蜜蜂と遠雷」(2019年)と、近年さまざまな作品に出演し、そのたびに映画賞を受賞してきた松岡が、その演技力を遺憾なく発揮している。
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