――では、これから吉本興業は、どのように変わっていけばいいのでしょうか?
東野幸治:いや、吉本も頑張ってると思うんですよ。大きい会社ですし、いろんなビッグビジネスも手掛けてますし。その上で、反社チェックとか働き方改革とか、社会が求めることにもちゃんと対応してますから。まぁ、結果的に社会に貢献できているか・できていないかは置いといて、の話ですけども(笑)。
で、なおかつ、ちゃんと芸人のことを考えて、テレビだけやなく、ネットとか劇場とか、新しい仕事をいろいろ作ろうとしてくれてますからね。劇場に出られへんやつには、「住みます芸人」みたいな仕事もありますし。…いや、だからその新しい仕事が成功する・しないは、また別の話なんですけどね(笑)。
ですから、吉本は吉本なりに、吉本興業というブランドの力が落ちていかないためにも、変わり続けようとはしてると思うんです。でも、ちょっと抜けてるところがあって、たまにミスっちゃう。それで結果、世間に笑われてしまうっていう(笑)。でも僕としては、「そういうのもご愛嬌、吉本やからしゃあないか」と、許容してもらえる社会であってほしいなと思います。
あと、僕が吉本興業っていい会社やなって思うのは、芸人の個人的なミスに対して、すごく寛大なんですよ。このご時世、一度ミスした人間が戻ってくるのはなかなか難しいと思うんですけど、吉本という会社は、ミスした人間に対して、少なくとも戻って来られる居場所は作ってくれますから。それはもしかしたら、お笑いの会社だからできることなのかもしれませんけど。
――ところで東野さんは最近、YouTubeチャンネル「東野幸治の幻ラジオ」を立ち上げられました。どのような経緯で、「ネットでラジオ番組をやろう」という試みに至ったのでしょうか。
東野:僕はいつも、流れるままに…というか、どんな仕事も、誘ってくれる人がいたらその人のために頑張ろう、というのを信条にしてるんですけども、この春、そうやって決まったラジオ番組のレギュラーの仕事が、なんとスポンサーがつかないっていう理由で立ち消えになってしまったんです。それでしょうがないから、自分でラジオ番組を作ろうと。流れに逆らってみよう、と(笑)。まぁでも、新鮮で面白い仕事ですよ。ほんまに手作りな感じで。
――でも、常日頃YouTubeを敵視している明石家さんまさんに知られたら、大変なことになるのでは…?(笑)
東野:そうなんですよ、さんまさんはいつも「YouTubeはテレビの敵や!」って言うてるんでね、なんとかバレないようにしないと(笑)。さんまさんって、何でも物事を“敵と味方”に分けるくせがあるんですよ、(横山)やすしイズムを受け継ぐ最後の芸人さんなんで(笑)。
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