続いて、競泳・大本里佳のもとを訪ねる。大本は、昨年5月のシドニーオープン・女子200m個人メドレーで自己ベストで優勝した、日本競泳界のニューヒロイン。
村上が訪れたのは、東京都多摩市にある、総工費50億円を投じた民間初のオリンピック仕様プール。カメラによる解析システムも完備された日本一のハイテクプールだ。
200m個人メドレーは、バタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・自由形の順でトータル200mを泳ぐため、4つ全ての泳法の実力が問われる種目。
そして、大本が得意とするのは、「スタート」。飛び込んで蹴伸びだけで15m進む。体幹を使って体のラインを足の先まで一直線にして進むことが大事で、スタート後の15m通過は大本が日本女子で最も速いと言われている。
1歳から水泳を始め、小学6年生でジュニアオリンピックに出場。中学1年で日本選手権に出場するなど、将来を嘱望される存在だった。高校進学後、初の世界選手権代表入りを果たし、このまま一気に上り詰めるかと思われたが、その後5年もの間、代表に選ばれることはなかった。
2016年、大学進学により上京し、現在のコーチに出会う。コーチは、大本の水を捉える感覚に天賦の才を感じ、それをさらに生かすための強化練習を行った。
その一つは筋力トレーニングなのだが、なんとそれまで大本はほとんどやってこなかったという。このような強化ポイントを絞った練習の成果がタイムに表れ、昨年の優勝につながった。
「オリンピックに出るだけじゃなくて、メダルを取ってお世話になった人たちに見せたい」と話す大本に「水泳とは何か?」と尋ねると、「逆に支えられている面が大きい」と答える。
その言葉が印象に残った村上は、「上からでも下からでもない、ほんとに足並みそろえて水泳と二人三脚で競技に向き合っている」と対談の感想を語った。
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