the Raid.が中野サンプラザで無観客ライブ開催「前を向いてやっていきたいという気持ち」

2020/03/30 00:00 配信

音楽 インタビュー

the Raid.が3月29日、東京・中野サンプラザホールで無観客ライブで開催した


ビジュアル系バンド・the Raid.が3月29日、ツアーファイナルを飾る東京・中野サンプラザホールでのライブ「走る走る俺たち~リクエストツアー~」を新型コロナウイルスの影響で中止し、代わりに同所にて無観客ライブで開催。

その模様をYouTubeチャンネルでプレミア公開した5人が、初のホールライブ中止の決断や、今後の活動などについて、胸中を明かした。

中野サンプラザへの思い


――観客を入れてのライブが中止になってしまい、無観客ライブとなりました。現在の心境から、お願いします。

一陽:無観客ライブをやってみて、お客さんと触れ合うことができる1秒の重みというものを実感することができ、ファンの方との時間の大切さをより深く学ぶことができました。今後、ファンのみんなと一緒に過ごせる時間を、これまで以上に大事にできたらいいなと思っています。

テンシthe Raid.にとって初のホールライブで、個人的にも中野サンプラザは憧れの場所だったので楽しみにしていました。非常に悲しいし、悔しいですし、やるせない気持ちもあります。でも、ライブは配信の向こう側のファンに向けて、楽しんでできました。

星七:大阪からスタートしたバンドなのですが、お客さんが数人しかいない時代が1年以上ありました。何度も活動を止めようかと考えたのですが、そんな時代を経て、ようやく親世代も知っている中野サンプラザでライブができることになりました。

母親にも自慢しましたし、どうしてもファンの皆さまと一緒に成功させたかったです。中野サンプラザは建て替えが決まっていて、僕たちがここでライブをすることはもうできないかもしれないのですが、これを通過点として、中野サンプラザホール以上の会場を目指したいという気持ちが強く芽生えました。

由羽:残念です。初めてのホールだったのですが、「こんなに奇麗なホールでライブができるんだ」と思いながらずっとツアーを回ってきましたので、悔しいです。ただ、立ち止まることなく次のライブを目指します。

bo_ya:コロナについて毎日のようにニュースが流れる状況ですが、少し前まではこういう状況になるとは思っていませんでした。いつ、平和な日常が崩れるか分からないと思いました。

無観客ライブは、自分の中でも、the Raid.としても納得がいくものができました。後ろを見ずに突き進みたいと思います。

――中止は苦渋の決断だったのでは?

星七:9年かかってつかんだ夢を、自分たちで取り止めることに対しての葛藤がありました。ファンの方々にも、「どうしても夢をかなえている姿を見たい」と言ってくれた方もいる一方で、小中学生・高校生のファンの方の親御さんからは「子どものことを考えると中止にしてほしい」との声も頂きました。

正解はないと思いますが、さまざまな意見が飛び交い、僕たち自身もすごく悩みました。ただ、人の命は失ってしまったら取り戻すことができません。僕たちの夢のために誰かが傷つくのであれば…と考えたときに、自分たちが夢を諦める決断をすることでみんなが救われたらいいなと思い、中止にしました。

――無観客ライブは、どんな気持ちでステージに立たれたのですか?

星七:今日はお客さんが0人だったのですが、見てくださる方が目の前にたくさんいることを意識して、妥協せず、全力でライブを行いました。ライブはずっとやってきているので、たとえ目の前にいなくても、お客さんとの心の距離はしっかりと取れていました。緊張しましたし、いろんな思いが交錯しました。

――YouTubeチャンネルでプレミア公開をされました。どうして公開しようと思ったのですか?

星七:お客さんと一緒にライブを楽しむことが難しい状況なので、ちょっとでも楽しんでいただきたいと思い、配信することにしました。見てくださった方にとって、“また明日から頑張る力”になっていればいいなと思います。