ーーコミック、ドラマ化、映画化と約20年に渡って愛される「きみはペット」、その最大の魅力は何だと思いますか?
入山「絶対的にあるものは、小川彌生先生のお人柄だと思います。私も高校生の時に漫画を読んで『きみはペット』が大好きになったファンの1人です。『きみはペット』は、スミレ以外の登場人物も、みんなが悩みを抱えて、どこか我慢をしていて、それでも誰かを思いやっていて。嫌われたくない人に愛されたくて、生きている。
一緒にいて安心するとか、心があったかくなれるとか、自分でも気付いてなかった、ありのままの自分を受け入れてくれる存在が、近くにいてくれることが、どれだけ幸せなことなのかと、教えてくれるところかなぁ、と思います。そんな存在がそばにいてくれたら、無敵ですものね」
ーーフジテレビでの再放送を毎週楽しみに待つ、FODほかで一気見する、などドラマ視聴の楽しみ方の選択肢が増えています。「きみはペット」全16話の中から、入山さんが選ぶマイベストストーリーは何話でしょうか?
入山「難しい!!(笑)。ただ、きみぺのドキドキ感やほっこり感を楽しむならスミレちゃんの誕生日の会が好きです。第4話だったと思います。
ひと味違う楽しみ方をお教えすると、実はバースデーケーキも、お部屋の飾り付けもモモ本人が作ってくれてるんです。スタッフさんの計らいというか、志尊くんの役者魂というか、とにかく愛があふれています(笑)。休憩時間や、私が知らないところで準備してくれてて、こそばゆく、お祝いされた気持ちになって、幸せな誕生日でした」
ーーでは、入山さんの演技やセリフなど、ご自身のハイライトと言えばどこでしょうか。
入山「これは、人生の中でもすごくいい経験となった1日だったのですが…、蓮實先輩(竹財輝之助)からのプロポーズを知ったモモが、自分から家を出て海外に行ってしまうんですね。のちにスミレは、ダンサーの夢を追いかけ、スミレを幸せにできる一人前の男になりたいと、モモの強い意志を知ることになるんですけど。
それまで自分のことばっかりになっていたスミレが、1人になり、モモが過ごしたロフトに上がって、モモ抱き枕に向かって「モモはここからどんな気持ちで私を見ていたんだろう、モモを振り回してたね、ごめんね、」と謝るシーンがあって。
台本には“モモ抱き枕を抱えながら“というト書きだったのですが、熊坂監督の提案で、本当に志尊くんを抱きしめながらの2パターンで撮影したんですね。その台本にないバージョンもきちんと、モモの感情として映像に残ってるんですけど。
あのシーンは何度やってもポロポロと涙が出てきて、本当に今までごめんねの気持ちでいっぱいになって。最終回の撮影でしたし、あの日、あのチームでしか撮れなかったシーンになったと思うんです。とても印象に残っているシーンです」
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