初舞台の中谷美紀 一人三役で初演はカナダ!

2011/07/09 08:00 配信

芸能一般

舞台「猟銃」の制作発表に出席した演出のフランソワ・ジラール(左)と、主演の中谷美紀(右)

井上靖の小説「猟銃」の舞台化にともない、制作発表が7月8日に都内で行われ、主演の中谷美紀、演出を努めるフランソワ・ジラールが出席した。

本作は、一人の男に宛てられた三人の女性(妻、愛人、愛人の娘)からの手紙で構成された書簡体小説で、立場の違う女性の中に秘められた想いを浮かび上がらせる。1950年の第22回芥川賞受賞作品である「闘牛」に併録されている本作を、数々の賞を受賞するなど世界中から注目を集めるカナダ出身の演出家であるフランソワ・ジラールが、中谷美紀とロドリーグ・プロトーを迎えて舞台化する。

満を持しての初舞台となる中谷は「出演を決める前に、フランソワ監督から“三人の女性のうち、どの役でもいいから好きな役を選んでくれ”と。はじめは“ノー”(いいえ)と言うつもりで原作を読んだのですが、原作があまりにも深く、日本の女性のしなやかな強さに魅力を感じました。また、監督は情熱豊かで、未知の可能性を広げてくれる方なので、ついつい三役すべて演じたいと言ってしまいました(笑)」と、一人三役を努めることとなった経緯を語り、初舞台がカナダということについては「旅の恥はかき捨てとも思ったが、外国のお客様は正直なので、少しでも失敗してガッカリさせてしまったら…と思うと怖くなってきました」と、不安を漏らす場面も。

演出をする思いについてフランソワは「本作をダイヤモンドに例えると、完璧にカットされた非常に輝かしいダイヤのよう。この作品の中の美しさ、純粋さ、言葉の表現にあたって、表現する機会を与えられたことを光栄に思っています」と、本作を絶賛。

中谷の印象については「映画“シルク”の撮影地のイタリアで美紀さんにはじめてお会いしました。彼女のシーンを撮っていたときに、いつもは自分の仕事に没頭するスタッフたちが彼女のすごさにのめりこんでしまい、涙していました。(自分の演技に)全員を引き込んでいるのを見て改めて素晴らしさに驚がくしました」と、女優・中谷美紀の魅力に引き込まれている様子を語り「再びご一緒したいと思っていて、“猟銃”の話が舞い込んできたときに”彼女(中谷)とやりたい!“と。念願叶って一緒にできるということが本当にうれしい」と、笑みを浮かべた。

なお、カナダ・モントリオール公演は‘11年9月7日(水)~9月10日(土)まで上演予定。日本凱旋公演の‘11年10月3日(月)~23日(日)の後、‘11年10月末~11月末に地方公演(兵庫、新潟、福岡、名古屋、京都)を予定している。