オスカー初受賞、不滅の俳優ブラッド・ピットの“肉体美”と生きざま<ザテレビジョンシネマ部>

2020/05/02 07:00 配信

映画

作品のために体をつくり変える姿勢


【写真を見る】ブラッド・ピット、『トロイ』 での鍛え上げられた肉体美(c) Warner Bros. Entertainment Inc.


献身という意味では、監督の指示でその都度進んで体をつくり変えてきたピット。

『ファイト~』で盟友のデヴィッド・フィンチャーから頼まれればダイエットと筋トレを交互に繰り返してふらふらになるまで体脂肪率を落とし、『トロイ(2004)』(5月24日(日)夜6:15、WOWOWシネマほか)では筋肉を増強して古代ギリシャの戦士に変身し、『フューリー(2014)』では行軍の途中で突然軍服を脱いで美しい広背筋を観客にサービスしてくれた。

『ワンハリ』で見せた左右に分割された大胸筋上部は、筋肉がつきやすい下部やサイドならまだしも、普通の55歳(撮影時)には到底無理。しかし、ブラッド・ピットならやる。スタントマンらしいルックスを手に入れるために、普段は休眠状態のナルシシズムを一気に起動させるその手法は、やっぱり真面目で堅実な人間の仕業。その不変的なありようはコロナ後のハリウッドでも生き続けるだろうし、そう信じたい。

文=清藤秀人



映画ライター/コメンテーター アパレル業界から転身。現在、「MonoMaster」(宝島社)、映画.com、CINEMOREなどにレビューを執筆。また、Yahoo!ニュース個人”清藤秀人のシネマジム”を定期的にアップ。著書に「オードリーに学ぶおしゃれ練習帳」(近代映画社)ほか。