「リング」「らせん」「ループ」の三部作は、1970年代に姿を消した恐るべき天然痘ウイルスが、貞子の怨念と神秘の力を得て、“呪いのビデオテープ”となって甦り、その後、突然変異を起こして“リング・ウイルス”“転移性ヒトガンウイルス”となって世界に蔓延するも、主人公の犠牲的行為によってウイルス発生のメカズムを突き止め、パンデミックが収束へと導かれる物語である。
小説を読むことによって、意識に変革が起こり、読者は目に見えない因子をしょい込んでしまったような感覚を覚えるだろう。
対岸の火事でない、読者巻き込み型の恐怖を描いたつもりである。
今回のドラマ「あの子が生まれる…」にも、映像という媒体を介して同じトリックを仕込んでおいた。
原作・脚本担当としては、より多くの人に見てもらいたいのはやまやまだが、そうもいかない。
驚愕のラストまで付き合っていただくには、それなりの覚悟が必要であると、警告を発するにとどめておこう。
約20年前の1998年、ある日本公開の映画が本場ハリウッドにショックを与えました。それが、「リング」です。
そして「リング」を皮切りに次々と発信された日本発のホラー映画群はジャパニーズホラーと呼ばれ、世界中でブームの嵐を巻き越しました。今もなお、映画のみならず配信作品としてもジャパニーズホラーには多くのファンがいます。
今回、その「リング」や「らせん」といった大ヒット作品の原作者である鈴木光司さんに、新たなオリジナル作品として、この「あの子が生まれる…」を書いていただきました。出来上がった作品は、ホラーの新たな境地を開いたと思います。
そして主演は今乗りに乗っている女優・森田望智さんにお願いしました。森田さんがじわじわと追い詰められていく姿に、私自身も恐怖を感じています。鈴木光司ワールドにおける、森田さんの迫真の演技を楽しみにしていてください!
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