今、“なぜこのような”というような、人の力だけではどうしようもないようなことに、向き合わされている感覚があります。ベートーベンは、運命的なものとか、人知を超えたものとどう向き合うのか、生きるとはどんなことなのか、作品の中で問い続けていたように思います。
その中でも、やはり悲愴ソナタは、一楽章にて哀しみとそれに抗う力、二楽章では、祈り、願い、三楽章では、決意、それも粛粛と淡々と、生きていく決意のようなものを感じます。聴いていると、その淡々と決意する、という心持ちに励まされるような気持ちがします。
ツアーやコンサートをしたり、皆さんの前で演奏したりできないことが辛くてたまりません。この状況が早く収束することを願っています。今は音楽を通じて一緒にたくさんの夢を見ましょう。夢を見させてくれる音楽がいくつかあると僕は思っています。フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが書いた曲です。
彼は晩年、一連のすばらしいソナタを書きました。みなさんのために少しだけ演奏したいと思います。近いうちに再び来日して、ステージで演奏できる日が来ることを願っています。
私はモナコの自宅でロックダウン中なので、ステージで演奏することやファンに音楽を伝えることができなくて辛いです。でも私たちは音楽を通じて旅をすることができます。そこでペルーの短い曲を用意しました。お聴き頂き、皆さんが笑顔になれたらと思います。
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