――大喜利番組や大喜利イベントの常連で、大喜利が得意というイメージのある川島さんですが、そんな川島さんの“大喜利の原点”は?
川島明:昔は大喜利って、落語家さんが本ネタの合間にやる余興というか、いわゆる「笑点」(日本テレビ系)のイメージでしたよね。でも、僕が小・中学生の頃、そんな大喜利のイメージをがらっと変えてしまったのが、ダウンタウンの松本(人志)さんで。やっぱり、今の大喜利のスタイルを作ったのは松本さんだと僕は思うんです。特に、「一人ごっつ」(1996~1998年、フジテレビ系)という番組は衝撃でした。作務衣を着て頭にタオルを巻いた松本さんが、でっかい仏像の前で、客もいない一人きりの状況で大喜利をやるっていう…めちゃくちゃかっこよかったですね。
――「一人ごっつ」が放送されていたのは、川島さんがNSCに通っていた頃ですか?
川島:いえ、当時は、NSCに入りたいと思ってはいたんですけど、親に言えなくて、一人でお金を貯めるためにアルバイトを始めることにしたんですよ。でも、社交性がなかったんで、ファミレスとかでは働けないなと(笑)。そしたら、1日8時間ひたすらネジを締めるだけ、っていうバイトを見つけたんです。これなら人に会わずにバイトができると思って、さっそく始めたんですけど、工場に行って、本当に誰ともしゃべらないでネジを締めてたら、気が狂いそうになって…。
で、そのときに僕を救ってくれたのが「一人ごっつ」だったんですよ。家で、前の日に録画した「一人ごっつ」の、大喜利のお題だけを見て、松本さんが答える前にビデオを止めて、そのお題を書いたメモを持って工場に行って、ネジを締めながら大喜利の回答を考える、っていう時間の過ごし方を考え出しまして(笑)。で、家に帰ってきて、松本さんの回答を見ながら、答え合わせみたいなことをして。「松本さん、こんなこと思い付くんや。俺には無理やな」と落ち込んだり、「俺の答えとちょっと似てるな」と喜んだり…ということを、半年くらいずっとやってました。
今思うと、あの頃が一番お笑いの筋肉が鍛えられた時期やったと思います。めちゃくちゃスクワットしてましたね(笑)。
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