「えんび服を着ると落ち着く」貴城けいが男性・女性の両方を演じる

2011/07/19 18:09 配信

芸能一般

ミュージカル「ビクター・ビクトリア」に出演する岡幸二郎、葛山信吾、貴城けい、彩吹真央、下村尊則(写真左から)

ブロードウェイミュージカル「ビクター・ビクトリア」が東京・ル・テアトル銀座と、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されるに先立ち、7月15日、公開通し稽古と出演者の貴城けい、葛山信吾、下村尊則、岡幸二郎、彩吹真央の囲み取材が行われた。

同作の物語は、1930年代のパリを舞台に、売れないソプラノ歌手・ビクトリアと、職を失ったゲイの芸人・トディが出会ったことから始まる。ビクトリアが、女性だが男装がとても似合うと気付いたトディは、ビクトリアをゲイのポーランド男爵・ビクターという設定にして、“女装したショーガール”としてビクトリアをステージデビューさせる。そこで人気を呼んだ“ビクター“にほれてしまったギャングのボス・キングや、そのガールフレンド・ノーマを巻き込み、大騒動に発展するコメディーだ。

公開通し稽古では、Wキャストのトディ役に岡が登場。主人公を演じる元宝塚トップスターの貴城は、女性としてのビクトリア、男性としてのビクターのそれぞれを演じ、赤いドレス姿やえんび服姿を披露する。登場キャラクターのコミカルな掛け合いにも注目。また、ミュージカルナンバーやダンスが次々と盛り込まれた明るい作品となっている。

囲み取材で、貴城は見どころを「コメディーで楽しく明るい作品なので、軽い気持ちで見ていただけるかなというところがこの作品の魅力です。あとは、彩吹さんの下着姿でしょう」と会場を笑わせる。すかさず彩吹は「違う違う!」と慌ててみせたが、「この作品の中には、とても男性らしい人、とても女性らしい人、そしてゲイの人と、性別を越えた人間模様が描かれていて、いろんな人に見ていただけると思います」と作品の魅力を語った。

男性と女性の両方になるという独特な役どころは、演じるのが難しかったかという質問について、貴城は、「案外難しくなかったんです。もっと大変かと思ってましたけど。この話をいただいたとき、ビクターとビクトリアを演じ分けようと考えていたのですが、自由な稽古のおかげで、ビクトリアがビクターとして生きているって事をすごく感じました。今は1人の人物として演じているので、ややこしくないですね」と明かした。続いて、「女性と男性のどちらが演じやすいか」という質問に対しては、「えんび服を着ているほうがいいです(笑)。あれなんででしょうね? もう(宝塚を)辞めて5年目になるのに、なぜかえんび服を着ると落ち着くんです」と笑顔を見せる。岡は「僕たちより、一番(えんび服が)似合ってる」と貴城のえんび服姿をべた褒め、終始笑顔で和やかに囲み取材は行われた