――ようやく全国的に緊急事態宣言が解除され、少しずつ社会が動き始めていますが、これまでの外出自粛期間中、何か気付いたこと、新たに発見したことはありますか?
石田明:一番思ったのは、井上(裕介)と会わなくても普通に仕事できるんだなっていう。井上と会わなくなったおかげで、肌の色つやがよくなりました(笑)。やっぱり、井上と会うっていうのは、なかなかのストレスなんですよね。ほんま、今はすごく体調がいいですから。
――(笑)。舞台に立てない日々が続いている、というストレスは?
石田:オンライン上で漫才をやるっていう機会が増えてきましたけど、やっぱり、生の漫才に勝るものはないなって。それは心底感じましたね。だからこそ今回のように、生に近いオンライン上の“半生(はんなま)”形式で、何か面白いことができたらいいなとも思います。
――今までのように劇場での公演が再開した後も、オンライン配信の舞台をやってみたいという思いは?
石田:そうですね、今回の舞台がうまく行けば、今後も例えば、足をケガして表に出られない人とか、田舎に帰ってしまって劇場に足を運ぶことができない人たちにも、エンターテインメントを提供できますもんね。そういう意味でも、また機会があったらぜひやってみたいです。芸人だけじゃなく、仲の良い役者さんたちにも協力してもらって、いろんなことをやってみたいですね。
――では、相方の井上さんとの共演も見られるかも…?
石田:あ、基本的に連絡を取ってないんで、それはないです(笑)。
――NON STYLEは今年5月14日に結成20周年を迎えましたが、これからのコンビとしての展望をお聞かせください。
石田:今は「仲が良いお笑いコンビ」というのがちょっとブームみたいになってるじゃないですか。で、井上は、ちょくちょくそのブームに乗ろうとするんですよ(笑)。でも、僕は断固拒否しています。コロナが落ち着いても、井上とのソーシャルディスタンスは守っていきたいですね。
――(笑)。ちなみに、外出自粛期間中、石田さんはどんな“おうち時間”を過ごされていましたか?
石田:家族とこんなに一緒にいられるっていう体験は初めてで。ほんま、今までめちゃめちゃ働いてたんやなって思いました。外出自粛期間中は、毎日が休みみたいなものでしたから。
その間、家でやりたいことは、けっこういっぱいあったんですよね。あそこに棚を作りたいとか、クローゼットの中を片付けたいとか。でも、わが家では優先順位というものがありまして。掃除をする、洗濯物を干す、そして子どもにご飯を食べさせる。そうすると、どうしても自分がやりたいことは後回しになってしまうんですよね。やっぱり、子どもと嫁さんのことが最優先になるんで。だから、僕のクローゼットの中は一生片付かんのとちゃうかなって(笑)。
――執筆作業など、ご自宅でのお仕事も大変なのでは?
石田:そうですねぇ。今までは、新幹線や車での移動中に脚本やネタを書いてたんですよ。吉本は営業が多いから移動時間もいっぱいあって、都合がよかったんです(笑)。でも、ここ2カ月はほとんど家から出ませんでしたからね。
「ノゾキミ荘」の脚本にしても、昼間に作業できたらそんなに時間がかからなかったはずなんですけど、日中は、ほぼ家事優先で。かといって、夜中に書こうと思ったところで、子どもが夜泣きをしたら強制終了やし。なかなか思うように進まなかったです。
…でもまぁ、家族と過ごす時間がたくさんできたから、結果的にはよかったんかなって思ってます。
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