<情熱大陸>木彫家・貝澤徹氏「“アイヌ木彫家”じゃなく、“木彫家”」迷いと葛藤の日々

2020/05/29 18:30 配信

バラエティー

木彫家の貝澤徹氏(C)MBS


しかしながら、マイケル・ジャクソンやクイーン、イーグルスを愛し、冗談好きな貝澤氏は、「僕、アイヌ語わからないんです」と人懐っこい笑顔と独特の笑い声を上げながら、あっけらかんと言う。

アイヌが食した「いなきび」の調理方法も、詳しくはよく分からない。貝澤氏にとって、「アイヌ」は、家族の歴史と生活の一部でありながら、その複雑な歴史の中で完全な形では伝えられてこなかった「自分の中に潜む他者」でもある。

だからこそ貝澤氏は、この現代においてアイヌとは何なのかと問い続け、その迷いと葛藤が人の心を揺さぶるのだろう。

今回、北海道白老町にて2020年春にオープンが予定されていた「ウポポイ(民族共生象徴空間)」に合わせ依頼された大作、火の神「アペフチカムイ」の像は、貝澤氏にとって初の人物造形への挑戦でもある。

「いつになったら“アイヌ木彫家”じゃなく、(ただの)“木彫家”って呼ばれるんだろう」と呟く、一人のアイヌ(=人間)、貝澤氏の迷いと葛藤の日々を追う。

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