鬼龍院翔が自宅で撮影したという歌唱映像を、喜矢武豊がいらすとや(みふねたかしによるフリー素材集)を駆使して編集したゴールデンボンバー「バブルはよかった」仮MV。
オフィシャルYouTubeの概要欄に「2020年現在、家から出られずライブも出来ず、『昔はよかった…なんならバブルはもっとよかったんだろうなぁ…』という気持ちを曲にした現実逃避ソング。誰も家から出ずに、いらすとやさんの素材のみで構成された新時代のミュージックビデオ!」とあるように、「おうち時間」によって生まれた新曲だ。
バブル時代と呼ばれる、好況に沸いた1980年代後半から1990年代初頭。当時を彷彿とさせる、どこか懐かしいサウンドと少しクサイ歌詞が癖になる。MVで鬼龍院が身にまとっている真っ青なスーツは、2013年にリリースされたシングル「Dance My Generation」の衣装だろうか。
やけに真っ黒なグラサンとざっくり開いた胸元に光るゴールドなネックレス(そして、手首にちらつくゴールドな時計)が、なんともナウい。全編通して気持ち良さそうに歌う鬼龍院を、いらすとやの素材が彩るという構成で、バブル感を表現している。
この仮MVで特に注目したいのは、喜矢武の編集スキルではないだろうか。デビュー前から動画の編集を担当していた喜矢武。まだ「YouTuber」という言葉が一般的には浸透していない頃から、バンドメンバーでオリジナルネタ動画を作り、動画投稿サイトなどで配信していた(「チャレンジシリーズ」をはじめ、体を張ったスゴ面白い企画とテンポ良い編集が本当に素晴らしいので、ぜひチェックしてみてほしい)。
10年以上培ってきたこの編集技術で、鬼龍院の歌詞をすべてそのまま映像化。つまり、<真夏のマーメイドガール>などの比喩表現もそのまま人魚などのいらすとでダイレクトに視覚化されてしまっている。ほかにもイヤリングがパンでできていたり、ギターソロを弾く喜矢武(?)が妙に躍動感があったりと、小ネタが満載で思わずクスッと笑ってしまう。
こんなにもいらすとやを多用しているにも関わらず、一目見てゴールデンボンバーらしいと妙に腑に落ちるのだから、不思議だ。まさに喜矢武の手腕が光る一品に仕上がっている。
いまのところメンバーの歌広場淳と樽美酒研二はほとんど関わってはいないが、同新曲はゴールデンボンバーの個性と魅力が爆発しているように思う。すべてをひっくるめて、ある意味でトレンディすぎる作品だ。
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