――そして、「巻六」では、「こち亀」こと「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の秋本治先生が前後編にわたって“降臨”されています。
ケンドーコバヤシ:その後、何度か秋本先生にお会いしてるんですけど、この時が初対面だったんですよ。ほんまに感動しましたね。もうレジェンド中のレジェンドですから、僕も正直ビビってたんですけど、実際はすごく物腰の柔らかい方で、作風ともまた違った感じ、というか。
「こち亀」って、人情噺的なエピソードが特に人気があるじゃないですか。実際、そういう人情ものっぽいところがあるから、アニメも長く続いたんでしょうし、ドラマ化とか映画化もされたと思うんですけど、僕としては、どうしようもないギャグ、下ネタ、子供が見てはいけない花札の話とか、そういうのがあってこその両さん(※「こち亀」の主人公)やなって思うんですよ。で、秋本先生とお会いしたときに、先生自身も、そういう両さんが好きだっておっしゃっていて。それがすごくうれしかったです。
――素朴な疑問ですが、ケンコバさんは、番組収録の前にゲストの漫画家の方の作品を読み返すわけですよね? 秋本先生の場合は、この収録の時点で「こち亀」はすでに完結しているので、単行本が全200巻あったと思うんですが…。
コバヤシ:そうですよ。秋本先生が番組のオファーを受けてくださったという知らせを聞いたとき、「ということは、200巻読み返すんか」と。で、実際に全部読み返して、ちょっと体調を崩しました(笑)。でも、楽しかったです。特に初期の「こち亀」を久々に読み返すと、両さんがまだ荒々しくて、いいんですよ。タバコくわえて、ギャンブルをやって、拳銃ぶっ放してる頃の両さんを見て、斬新なキャラやなと改めて思いました。
――また、3巻の通し企画として、「クッキングパパジャーニー」と題し、「クッキングパパ」の荒岩ファミリーの旅行を追体験すべく、タイでロケを行っています。
コバヤシ:これは、今年の2月にタイに行って撮らせてもらいました。前に別の番組で「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる地を巡る「JoJoジャーニー」っていうのをやらせてもらったときに、「これ、他にもいろんな漫画でできるんとちゃうか?」ということになり、まず今回は「クッキングパパ」でやってみようかと。
――作者のうえやまとち先生からの了承は得ているんですよね?
コバヤシ:はい、もちろん。ただ、うえやま先生は不思議に思ってるみたいで。そらそうですよね、こんなに「クッキングパパ」をいじってくるヤツ、他におらんやろうし(笑)。でも「クッキングパパ」は僕だけじゃなく、うちのスタッフも大好きなんですよ。
――タイ旅行は満喫できましたか?
コバヤシ:タイには何度も行ってますけど、今回はうえやま先生が実際に取材したお店ということで、間違いなかったですね。美味かったです。
――ちなみにケンコバさんは、「クッキングパパ」を参考にして、ご自身で料理を作ることはあるんでしょうか。
コバヤシ:いや、それはまだ一度もないです。今は、自宅待機で料理する機会も増えてるんで、そろそろ挑戦したいなとも思うんですけど、「クッキングパパ」って家族の話だから、出てくる料理のほとんどが大鍋を使う料理なんですよね。ひとり暮らしの人間にとっては、ちょっとハードルが高いというか。だから、僕に家族ができたときに挑戦したいと思います(笑)。
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