世界各国で上映禁止…常軌を逸した実話を映画化「アングスト/不安」“ファン代表”ギャスパー・ノエ監督が絶賛

2020/06/03 12:00 配信

映画 インタビュー

【写真を見る】初公開は1983年の映画「アングスト/不安」の貴重なメーキング写真も公開に(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion


映画「アングスト/不安」が誕生から37年の時を経て、7月3日(金)より日本で初公開。“ファン代表”ギャスパー・ノエ監督から日本初公開に向けたメッセージ動画が公開された。

1983年、それまでジャンル映画が存在しなかったオーストリアで突然変異のように誕生した、あまりにも異常かつ危険な実録スリラー映画。

刑務所出所後の殺人鬼=狂人が感じる不安やプレッシャーによる異様な行動と心理状態を、凶暴かつ冷酷非情なタッチと斬新なカメラワークを用いて表現しており、狂人自身のモノローグでつづる構造や全編に徹底された陰鬱(いんうつ)なトーンなど、作品自体が“異常”であり、他に類を見ない芸術性を発揮した衝撃的作品だ。

しかし、公開当時はそのショッキングすぎるすさまじい内容により本国オーストリアでは1週間で上映打ち切り、他ヨーロッパでも上映禁止、イギリスとドイツではビデオの発売も禁止。アメリカではXXX指定を受けて配給会社が逃げたという。

日本でも劇場公開されず「鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜」というタイトルで1988年にレンタル用VHSが発売されたが、世の中に出回った数は極少、ほぼ誰にも見られることなく地下に埋もれ、以降見たくても見れない作品となった。