WOWOWライブでは、 アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて開催される「UFC250」の模様を、6月7日(日)朝11:00より生中継する。
先月開催された「UFC249」に続き、無観客試合として開催される今大会。メインイベントは、UFC初の女子2階級同時制覇を成し遂げたアマンダ・ヌネスが、フェリシア・スペンサーを迎え撃つ女子フェザー級王座の初防衛戦。
今回、WOWOW「UFC -究極格闘技-」解説者としても知られる、“世界のTK”こと高阪剛に、この一戦の見どころを語ってもらった。
――女子バンタム級とフェザー級の2冠王者で、これまでバンタム級王座を5度防衛したアマンダ・ヌネスが、フェザー級王座の初防衛戦に臨みます。無敵の快進撃を続けるヌネスを、高阪さんはどう見ていますか?
高阪剛:ちょっと手が付けられないほど強くなっているのは多くの人が感じていると思いますが 、その圧倒的強さの要因がどこにあるかが大事なところです。
いろんな要因はあると思いますが 、まず挙げられるのがパンチの距離感。相手に当たるだけじゃなく、仕留めることのできる距離。自分にとってのヒットポイントがけっこう遠いところにあることを、ヌネスはどこかでつかんだと思うんです。
――相手のパンチは当たらないが、自分は倒せるパンチが出せる距離を見つけたと。
高阪:だからヌネスの試合を見て、「相手は手も足も出ないじゃないか」って感じる人もいると思うんです。距離設定が遠いので、相手からすると自分の打撃が出せない。出したとしてもいい位置で当てているわけではないので、倒すまでには至らないっていうことが起こっているんです。
――ヌネスの相手は、本当はもっと距離を詰めたいところだけど、その前に遠い間合いから強い打撃を当てられて一気に畳み掛けられてきたわけですね。
高阪:そうですね。通常、リードジャブで距離を測っておいて、利き手の大砲をズドンと叩き込むのがセオリーです。でもヌネスの場合は、リードジャブを出さなくてもすぐ距離設定ができる。相手からすると、まだパンチが飛んでこないタイミングで、強い右ストレートをもらってしまったりしているんです。
――遠い間合いから一気にKOできるような右ストレートを放ってくるというのは、かつてのエメリヤーエンコ・ヒョードルもそうでした。
高阪:そういった面では、ヒョードルと同じ強みを持っているかもしれない。ラッシュを仕掛けて倒しにいく選手というのは、普通インファイトで相手の懐に入っていって、一発もらっても二発返すような殴り合いの末にKOするパターンが多いんですよ。
――クリス・サイボーグなんかは、 まさにそのタイプです。
高阪:でも、ヌネスはそうじゃないところが強みであり、相手にとってはより攻略するのが難しいんですよ。そしてヌネスも最初からそういう距離で倒せるようになったわけではなく、過去何度か敗れたり、うまく試合を運べなかった経験を経て見つけ出したんだと思うんです。
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