――となると、試合展開としてはスペンサーが何度も組みつきにいき、ヌネスは組みつかせないようにスタンドの遠い間合いで勝負しようとすることが容易に考えられます。
高阪:やりたいことが逆なんですよ。だから主導権の取り合いになるだろうし、そこで本人たちがどういったことを起こすかが注目ですね。
——それから、スペンサーには打たれ強さもあります。
高阪:そうですね。多少打たれても気にせず前に出てくるし、逆に打ち返しておいて組みにいったりする。サイボーグとの試合でもそうでしたが、気持ちの強さとそもそもの打たれ強さを持っている。また、身体は決してバキバキなわけではないですが、あれが組んだ時に“密着力”が増すんですよ。
――“巨大なお餅”が乗ってくるような、いわゆるジョシュ・バーネットタイプ。
高阪:だから相手からすると、組みつかれているだけで息が上がってきたりするんです。そしてヌネスは寝技でそういう状態に持ち込まれるのが嫌で、今のスタイルを作り上げた。
だからスペンサーが組みついてきた時、ヌネスがどう対処するのかが見ものだし、それも攻略して上回るようなら完全無欠の選手にまた近づく。その辺のモノサシにもなる試合だと思います。
――無敵のヌネスを倒すとしたら、スペンサーのようなタイプであり、ヌネスがそれさえも返り討ちにしたなら、より“完全体”に近づくと。
高阪:お互い相手がやりたいことはわかっているので、対策は立てやすいと思うんです。だから、あとは5ラウンドあるので、どこで意外な攻撃を差し込んでくることができるか。
スペンサーはサイボーグとの試合で、タックルのフェイントで縦のヒジ打ちを入れてサイボーグの顔面をカ ットしたりと、意外なこともやってくる。そういったところにも注目したいですね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)