私はあなたの力になりたい。好きって言われたい。
笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学2年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメートからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。
しかし、本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な思いを寄せるクラスメート・日之出賢人(ひので・けんと)へ毎日果敢にアタックを続けるが、全く相手にされない。
めげずにアピールし続ける彼女には、誰にも言えないとっておきの秘密があった。
それは、猫の姿になって大好きな日之出に会いにいくこと。実は、ムゲはある夏祭りの夜、お面屋にいた猫の店主から「かぶると猫へと姿を変えることができる」という不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振る舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、いつしか太郎は日之出の支えになっていた。
「人間」のときには距離を取られてしまうが、「猫」のときには近づける2人の関係。ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。
猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、「人間」を捨て「猫」として生きるよう迫られる。
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