――今回のインタビューは“48グループは総選挙を起点に1年を考える人が多い”というところが出発点なんですけど、荒井さんはこの考え方に共感しますか? それとも自分は違うなって思いますか?
荒井:やっぱり総選挙があったときは、年を越すよりも総選挙区切りで考えることが多かったですね。次の目標を聞かれると、必ず総選挙のことが一番に思い浮かぶくらい大きなことだったので。
――2019年は3月に総選挙の不開催が発表されましたが、そのときは率直にどう思いましたか?
荒井:「総選挙がつらい」ってメンバーも結構いるんですけど、私はそういう意識がないんです。多分、私のファンの方がたくさん応援してくれて、トータルするといい印象の方が強いからだと思います。確かに、速報のときだけしか入れなかった年もありましたけど、「ない」って聞いたときはちょっとショックでした。
――2018年の総選挙は前年から順位を30上げて28位でしたけど、もし2019年にやるとなっていたら、そのときは選抜入りを狙っていたと思いますか?
荒井:2017年に58位で初ランクインさせてもらって、確かその次の日くらいには「来年はアンダーガールズに入りたいな」っていうのを強く思って、ファンの方に伝えていた覚えがあります。
でも、58位から30位上げることと、選抜を狙うっていうのは結構差があることなので、前の年ほどはすぐに決断できませんでした。握手会やSNSのコメントなどで「次の総選挙あったらどうするの?」っていうのは定期的に聞かれていたんですけど、そのときに言うか言わないかずっと迷っていて。
だけど、「次あったら選抜に入れたらといいね」っていう前向きなファンの方が多かったので、それに後押しされて「次は選抜入りたいな」って、2018年の総選挙が終わって半年経ったくらいで明確な目標ができました。
――去年の6月は、総選挙がないことを感じる瞬間などはありましたか?
荒井:速報発表の時期は、メンバーとも「そういえば速報の時期じゃない?」って話したりしましたね。あと、スマホに1年前の写真が出てくる機能があるじゃないですか。あれで総選挙の写真が出てきたときはぞわっとしましたね(笑)。もう1年経ったのかという意味で。
――総選挙の代わりに1年を振り返るタイミングはありましたか?
荒井:分かりやすく1年って考えると、なかなかないですね。総選挙ほど決まった時期にあるイベントってなかったので。
――総選挙の後は、メディアに出るときなどにその年の結果が名刺代わりのように紹介されていたと思うんですが、その点で変化を感じたりはしましたか?
荒井:確かに順位は言われなくなりました。1年で有効期限切れるんですね(笑)。
――名刺代わりというと、荒井さんは青木詩織さんと始めたTikTokがフォロワーも20万人に到達して、今はそうなりつつあるんじゃないかなって思うんですが。
荒井:最近、たまたま何年か前の日記を見て、そこに目標が書いてあったんですけど、私がかなえた目標って、ファンの方がかなえてくれた目標ばかりだったんです。「総選挙でアンダーガールズに入りたい」とか、「SKE48の選抜に入りたい」とか。
総選挙がなくなった今、自分の力が試されるというか、28位って本当に大きなアピールじゃないですか。そういうのがなくなったから、自分たちでいろいろ考えてやっていくしかないなって、改めて思うようになりました。
――総選挙が全メンバー共通の、いろんな人に知ってもらえるチャンスだったと思うんですけど、今は普段の活動でそう思う機会ってありますか?
荒井:本当に全メンバーに平等に与えられるチャンスってないですね。みんなに与えられるチャンスって総選挙かじゃんけん大会かだったと思うんですけど、今はそういう全員がフェアな状態で競えることって、なかなかないと思いますね。
――SKE48には9期生、10期生と、総選挙を経験したことのないメンバーが入ってきましたが、荒井さんはこの後輩たちも総選挙を経験した方がいいと思いますか?
荒井:私は性格的に楽しめるんですけど、やっぱりあの期間はメンバーの涙も結構印象に残っていて。
速報発表があった次の日にレッスンがあったりして、そのときにすごい暗い表情をしているメンバーがいたり、総選挙が終わった後の楽屋でも涙が止まらないメンバーの姿を見て、48グループの人数も増えてますし、それを思うと笑顔で終われる人は限られてくると思うから…どうなんですかね。
私は経験した方がいいと思うんですけど、それはファンの方との絆が生まれるというか、本当にファンの方の大切さに気付かせてもらえる大きなイベントなので。票数とか、速報の日に向けてファンの方が「投票してるよ」って私たちを安心させようと思って発信してくれる言葉とか、そういうことで応援してくれている人がいるんだなって、改めて感じられる期間でもあるんです。
だから、毎年はちょっときついかもしれないですけど、1回くらい経験した方がいいんじゃないかなって思います。
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