<消臭力ソングの秘密>ユニークだけじゃない「心に届ける、人に寄り添う」エステーのCM

2020/06/27 08:00 配信

芸能一般


――今放送されている西川さんの「消臭力」CM。撮影は3月12日で、新型コロナウイルスの問題が大きくなりだしたころですね。

「悲しいときは泣けばいい。ただ、明日の朝には笑っている君がいてほしい。君にこれを伝えたいんだ」。僕はこれを西川さんに歌ってほしかった。最後に「空気を変えるぞ」とバーンと出て、「なんだよ!?」って感じだけど(笑)、これもメッセージなんですよね。

「泣きたいときは泣けばいい」。西川貴教が歌う消臭力ソングは鹿毛康司による作詞・作曲で、コロナ禍で暗くなりがちな日常を励ましてくれるメッセージソングでもある


――「空気を変えるぞ」は生活と世の中、二重の意味に取れますね。

鹿毛:3月のあたり、僕は人の行動、意識、感情がよく分からなくなっていたんです。「頑張る」にしても、震災のときとはちょっと違っていた。でも、「笑いたいんだ」ということに間違いはないと思った。

放送の後、「音楽を聴く余裕がなくなっていたことに気付いた」「子どもと一緒に歌ったら涙が出た」「今日は母の誕生日、みんなで元気に頑張ろう」「この前お店を開けてくれてありがとう」とか、こういうコメントが「#消臭力」でTwitterに流れていました。「消臭力」の話、誰もしてないでしょう。みんな、自分の生活の話をしているだけです。けれど、この人たちが「消臭力」を買ってくれるんです。

――ちょっと思い違いをしていました。エステーのCMはバラエティー的な面白さで商品の認知を図っているのかと…。

鹿毛:いえ、それでいいんですよ。思い違いをしてくれたというのは楽しさが伝わっているということだから、僕にとってはうれしいことです。

今流れている「脱臭炭」のCMも、僕からのメッセージです。家にいることって、我慢じゃないですか。“stay home”を楽しもうと言われていますが、なかなかそうはいかない。だから、本当にそう思えるCMを作りました。明るい食卓で、「おいしい料理だ! おうちって楽しいな♪」って。愛ちゃん(高橋愛)、れいなちゃん(田中れいな)も良い笑顔をしてくれてね。商品のことなんか全然言ってないけど、それでいいんですよ。