――改めて、最初に岡田惠和さんの脚本を読まれた際の感想をお聞かせください。
「面白い! うまい!」と思わず声が出たほど、岡田さんの想像力と筆力にただただひれ伏したくなるパーフェクトな脚本でした。
視聴者が今どんな物語を求めているのか、どんな設定なら共感してもらえるのか、どんな展開なら無理がないのか―それらは通常のドラマでも時間をかけて議論される部分ですが、わずか一週間で取捨選択し傑作を書き上げるなんて、もはやこの作品をやる運命だったのだ! と運命論者のモトオのようなことを言ってみたくなります。
中でも秀逸と感じたのは、二人の人物設定。リモートワークのモトオもスーパー勤めのユキコも、まさに「2020年の5月」を生きた私たちと地続きの二人。
彼らが感じ口にする言葉はみな、リアルな私たちのものでもありましたし、“自粛する者”と“するわけにはいかない者”双方の立場で語られるところに、全ての人にこの作品を楽しんでもらいたいという岡田さんの愛情も感じました。
――リモートでの撮影はどのように行っていたのでしょうか?
二人が住むマンションは、離れた二つのスタジオ。各現場には、iPhoneとiPadの2台がアングル違いで設置され、それらの映像はリアルタイムでWOWOW本社内の基地に送信されていました。
監督はその基地からリモート演出し、各スタジオに設置された指示用パソコンからそれが聞こえるという具合。お芝居は毎話ワンカット撮影でしたので、リハーサルを見て直しを入れたら、あとの本番は最後までノンストップ。
リモートあるあるですが、町内放送が流れてきてNGなんてこともありました。また画面のスウィッチングは収録と同時に行われ、それをベースに編集が加えられたと聞きました。
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