ネタ番組の少なくなったお笑い界で、現在「第7世代」と言われる平成生まれのデジタルネイティブな若手芸人たちが次々ブレイクする中、異例の活動スタイルで注目度があがっているコンビがいる。
何度も浮き沈みを経験しながら、それぞれが己の武器を磨き、ここに来てお互いを最高に輝かせることができるコンビ。「あっちゃん」こと中田敦彦と、「シンゴ」こと藤森慎吾によるお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」だ。
2003年に結成し、2005年にテレビデビューしたふたりは、リズムネタ「武勇伝」で一世を風靡。デビュー後すぐにブレイクし、コンビで冠番組を持ったのは史上最速。あまりにも早くスターダムにのし上がった彼らだが、ここまでの道のりは決して易しいものではなかったという。
これまでの活動の軌跡を振り返りつつ、個々の活躍も目覚ましいオリラジの現在の注目ポイントについて紹介したい。
「一発屋芸人」という、ひとつのネタでブレイクし、その後鳴かず飛ばず…という芸人がいる。それを自虐ネタとしてもう一度注目されるパターンもあれば、そのままテレビでは見かけなくなってしまうパターンも。
オリラジはデビュー時に「武勇伝」で大ブレイクし、冠番組を含むレギュラー番組を10本も抱えた。しかし、3年以内に『笑っていいとも!』以外のレギュラー番組はすべて終了し、まさに「武勇伝」だけで終わっていく一発屋芸人かと思われた。
だが、2011年頃「キミ、かわうぃ~ね~!」が決め台詞の、藤森の「チャラ男」キャラがブレイク。藤森のソロ仕事はもちろん、コンビ仕事でもチャラ男を軸にしたネタが生まれ、オリラジとしても再ブレイクのときを迎えた。
2015年には、中田の実弟であるFISHBOYら“スキルマスター”と呼ばれるダンサー4人を含む「RADIO FISH」名義で「PERFECT HUMAN」をリリースし、再々ブレイクを果たす。
3度の大きなブレイクを果たしている異例のコンビ。だが、ブレイクが落ち着き、いわゆる低迷していると思われていたその間も、彼らはあがいていた。
「芸能人歌がうまい王座決定戦」で見せた、芸人とは思えない歌唱力とパフォーマンス。ブレイクした8.6秒バズーカのリズムネタ「ラッスンゴレライ」の完コピも話題となった。
藤森のチャラ男キャラがフィーチャーされる一方で、中田の「アメトーーク!」や「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日系)でのオタク・インテリキャラが印象に残っている人も多いだろう。
藤森は、オリラジの指針を決めている中田について、こう話している。「あっちゃんは、なんでも当てている成功者じゃない。成功の裏でエラーを重ねてる。相方は、失敗を積み重ねてその上に成功を持ってくる人だから。あきらめない、やり続ける」。
何度ものブレイクは決して偶然の産物ではない。それぞれがソロとして、コンビとして、何をしたら面白いか?を模索して挑戦し続けた結果だ。
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