――中村さんが本作で演じられたのは、月曜日から日曜日までの7つの人格。その中には、派手な性格のバンドマンからオタク気質の青年、釣りが好きなアウトドア派まで、多種多様なキャラクターが存在しますが、もし一緒に住むとしたら誰がいいですか?
それは特にいないかな。というより、僕はそもそも男とは一緒に暮らしたくない(笑)。
――では、友達になるなら、どの曜日の彼?
基本的には、どの曜日とも友達になれると思います。学生時代もヤンチャ系からオタク系、スポーツマンまで、いろんなタイプの友達がいましたから。
――人に対する許容量が大きいんですね。
どうなんですかね。でも、わりと昔からタイプを選ばず、みんなと愉快に過ごせる人間ではありましたね(笑)。
でも、7つの曜日の中であえて選ぶとするなら、一番興味があるのは日曜日かな。演じていて日曜日が一番好きだったから。
――それはどういう理由で?
日曜日は劇中で一言も話さないし、サングラスをかけていて目すら見えないんですよね。かつ、断りもせずに車の免許を取って、週末ごとに釣りに出かける自由人。それなのに、ほかの曜日に釣った魚をおすそわけする優しさもある。それだけでなんか気になる存在ですよね(笑)。なので、日曜日と会って話をしたら、楽しいんじゃないかなと思いました。
――ちなみに、中村さんはインタビューなどで「これまでに演じてきた役の要素は、すべて自分の中にある」とお話されていますが、今回の7役についてもそうなのでしょうか?
今回の映画の取材でも「どの曜日が一番自分に近いですか?」と聞かれることがよくあったんですけど、その答えは「とくにない」でした(笑)。でも、そのどれもが自分にある要素だし、それがないと演じられないというのはありますね。
――確かに「どの曜日が一番近い?」というのは聞きたくなる質問ですね。
インタビュアーさん泣かせの返答だと思いますが(笑)、自分では決められないんですよね。それに中村倫也がどういう人かというのも人それぞれだと思うし、たぶん僕のことを知ってくださった作品によっても印象が違うと思うんです。僕としてはそれでいいと思うし、その全部が自分なので、好きに選んでくださればと。
――そういうところがカメレオン俳優と呼ばれるゆえんなのかもしれませんね。
それはわかりませんが(笑)、どの曜日が素の中村倫也に近いのかを想像しながら見ていただくのも楽しみ方の一つかと。ジャンルとしてはサスペンスになっていますが、いろんな味わい方ができる豊かな作品になっているので、ぜひ楽しんでいただければと思います。
取材・文=馬場英美
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