男に依存することでしか生きられないシングルマザー・秋子(長澤まさみ)に育てられた少年・周平。小さい頃から歪んだ愛情を与えられ、秋子の言葉に忠実に生きてきた周平は、17歳のとき、ついに凄惨な殺人事件を起こす――。事実を基に描かれた7月3日公開の映画『MOTHER マザー』の周平役に抜てきされたのは、なんと今作で俳優の仕事に初挑戦したという奥平大兼(おくだいら・だいけん)。人生初めてのオーディションから、人生初めての演技へ、華々しいスクリーンデビューを飾った16歳の彼の素顔に迫る。
――オーディションの時のことは覚えていらっしゃいますか?
「自己紹介のところまでは覚えているんですけど、正直そのあとのことは緊張しすぎて記憶がところどころ飛んでいます(笑)。
部屋の中には相手役の方と面接の方々がいて、同じお芝居を2回しました。一回目は自分なりのやり方でやってみて、2回目は『ちょっとこうしてみて』という言葉をもらいながら。とりあえずセリフを忘れないでミスをなくそう、という思いだけで必死でしたね。テーブルにオーディションの書類がいっぱいあったので『あ、ヤバい。こんなの受かるわけない』と思っていたんですけど、受かったと聞いたときは本当にビックリしました」
――どのように周平を演じましたか?
「周平の性格や環境は体験したことのないことばかりだったので、自分に当てはめて考えることがとても難しくて。クランクインの前にワークショップを行っていただいた際も何もできず、ただただ決められたセリフを言うという感じでした。撮影に入るのが怖くて仕方なかったんですけど、監督が『自分のやりたいように、自然にやっていいよ』と言ってくださる方だったので“これはどうだろう”“明日のこれはこうやってみたらいいのかな”と自由に試せたというか。その演技に対してOKが出るとすごくうれしくて、また次の撮影も楽しみになっていく…という感覚でした」
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