堺雅人「こういうときだからこそ、響く要素をたくさん持った作品です」

8月27日（土）から公開される映画「日輪の遺産」の完成披露試写会が8月8日、都内で行われ、堺雅人、福士誠治、ユースケ・サンタマリア、森迫永依、松本花奈と、佐々部清監督らが登場した。

同作は、浅田次郎の小説を映画化した歴史ミステリー。敗戦間際の日本を舞台に、マッカーサーから奪取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円)の財宝を隠匿するという密命を下された3人の軍人と20人の少女たちがたどる過酷な運命を描く。

真柴少佐役を演じた堺は、「8月15日という、今までのルールが全部崩れ、新しいルールが定まっていない見通しの悪い時代に、手探りで自分なりの生き方を作っていった、そんな大人の魅力を持った人物だと思って演じました」と、役への思いを語った。

「チルソクの夏」('03年)以来、佐々部監督作に出演した福士は、「デビュー作が佐々部監督だったので、僕のゼロの状態を知ってる監督と8年ぶりで。萎縮しつつ、頑張らせていただいた」とコメント。

ムードメーカーのユースケは「かわいい女の子たちが過酷な運命に巻き込まれていくのがかわいそうで。でも、純粋な笑顔に助けてもらいました」と少女たちをねぎらい、「撮影中はモンペを履いていたみんなと食事に行ったとき、今風の格好をしててホッとしました」と、会場を笑わせた。

その後、主題歌を歌った元ちとせが登場。「そんなに遠くない昔に、大変な時代があったんだなと。今、自分たちが平和でいられることに感謝しました」と語り、イメージソング「永遠の調べ」を熱唱。その歌を聴いた堺は「祈りの歌ですね。今の日本に染み入るメッセージなんじゃないかと。昨年の6月に撮影したとき、まさか公開時に日本がこういう状況になっているとは思ってもみなかった。でも、こういう日本だからこそ、響く要素をこの作品はたくさん持っています」とメッセージを送った。