綾野剛×星野源「MIU404」が描く“新しいバディ” 野木亜紀子脚本が生み出すキャラクターなぜ魅力的?

2020/07/17 07:15 配信

ドラマ コラム

野木亜紀子氏描くキャラクターが、生き生きしている理由




MIU404」だけでなく、そもそも野木亜紀子脚本の魅力の一つは、キャラクターの臨場感ではないだろうか。登場人物一人ひとりに生きてきた背景を感じさせ、なぜ現在こうなっているのか、こういう未来を歩むのではないだろうかと見るものに想像させる。

たとえば、伊吹や志摩をはじめ登場人物たちに関する過去のヒントが一話ごとに散りばめられていて、私たち視聴者は一週間に一度の一時間を積み重ねていくことで、少しずつ彼らの人生ピースをはめていくことができる。実際に日常生活で相手との仲を深めていくのも、何度も会ったり話したりすることで、少しずつお互いを知っていくからではないだろうか。

「MIU404」第1話より(C)TBS


そして、「アンナチュラル」の主人公・三澄ミコト(石原さとみ)のように、すべてを明かさずに程よく秘密を残すところもまた巧妙だ。視聴者の中に知りたい、興味深いという探求心を膨らませ続けると同時に、彼女たちに対する愛を育ませていく。そして最後まで登場人物たちの余白を残すことで、視聴者の中で彼女たちはずっと生き続けるのだ。

野木亜紀子氏は登場人物一人ひとりを深掘りして、丁寧に描写していくからこそ、彼らが生き生きと輝き、画面越しの物語をよりリアルで身近に感じさせる。

さて、第3話で多くの伏線が張られ、タイトル通り「分岐点」になったが、これから志摩と伊吹をはじめ彼らのどんな生き様が見られるのだろうか。