7月18日(土)の「テレメンタリー2020」(毎週土曜深夜4:30-5:00[日曜朝4:30-5:00]、テレビ朝日、※系列各局で放送)は、2019年の東日本台風における宮城・大郷町中粕川地区(おおさとちょう・なかかすかわちく)住民の避難行動を検証した「犠牲者0の町 ―決壊 大郷の奇跡―」を放送する。
2019年10月、各地に甚大な被害をもたらした東日本台風。宮城県では、河川の氾濫や土砂災害で19人が死亡、2人が行方不明になった。その一方で、105世帯311人が暮らす吉田川流域の大郷町中粕川地区では、側を流れる吉田川の堤防が100メートルにわたり決壊し、地区のすべての住宅が被害を受けたにもかかわらず、死傷者は1人も出なかった。
東日本放送は、東北大学と共同で50人以上の住民に聞き取り調査を実施。当時の避難行動を検証した。
その結果、「避難指示」が発表された決壊前日の夜には、住民の8割以上が避難所や親戚宅などに避難していたことが分かった。
この地区は水害の多発地域。早期避難した70代の男性は、父親や近所の年配者から地区で起きた過去の水害の話をこれまで幾度となく聞かされ、水に対する意識と覚悟が培われてきたと言う。また、当初、避難せずに夜まで自宅に残っていた⼥性は、地区の全戸を巡回していた消防団に避難を促され、切迫した状況を感じ取り、避難を決心したと話す。命を守った背景には、過去の災害の伝承と地区ぐるみの防災態勢があった。
一方、新たな課題も浮き彫りになった。避難の呼び掛けに応じず自宅に残った住民や、決壊の直前に避難所から自宅に戻ってしまった住民が救助される事態も発生していた。「今回は大丈夫」との思い込みや少しの油断が命を危険にさらしていた。避難行動の専門家は、犠牲者ゼロの要因について、「奇跡」と「必然」の2つの側面があったと語る。
犠牲者ゼロの町の住民は、あの日、どう行動したのか。50人以上の住民の証言を基に、当時の避難行動を映像化。近年、激甚化する豪雨災害で、命を守る避難行動について、大郷町を例に検証する。
制作はKHB東日本放送、担当プロデューサー・藤井尚弘、担当ディレクター・鈴木奏斗。ナレーターを俳優の本郷奏多が務める。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)