本作は私が勤める会社の「働かないおじさんA」をヒントに描いた話です。当時抱いた「働かない大人がいるんだ」という驚きや、「でも、なぜ働かないんだ?」といういら立ち。そして、会社員と副業の漫画の間で揺れ動く感情を、名優・濱田岳さんに演じてもらえるなんて、こんなぜいたくなことはありません。
「できれば働きたくないけど、何とか頑張って働いている」。そんな人たちの背中を押すようなドラマになると思います。原作を応援してくれた皆さま、スタッフの皆さまに感謝。おじさんAにも感謝です。放送日を楽しみに待ちます。
舞台は老舗新聞社の「毎産新聞社」。主人公・橋田一(濱田)は、入社7年目の技術局システム部社員。本業はそこそこに、副業の同人漫画の執筆に精を出す日々を送っている。
そんな橋田に、毎日のようにちょっかいを掛けてくる技術局工程部の社員・八木沼豊。彼は日がな1日社内を歩き回り、他部署の同期に偉そうに話し掛けたりしている。
仕事に縛られず、人生を謳歌(おうか)していると豪語する八木沼だが、少しも幸せそうではなかった。
八木沼は「伝説の94年組」と呼ばれる世代で、同期入社の社員たちは現在、各部署で部長職に就いている者が多数いる黄金世代らしい。
その中にあって八木沼は、いち早く出世街道を外れた。八木沼の行動を見れば分かる。自分とは違い、出世していく同期を意識していないはずがない。
一方、橋田はエースとして活躍する同期がいる中、漫画を逃げ道にそこそこの仕事をして、何となく生きてきた。八木沼を見て、橋田はふと「俺の心の中にも八木沼さんはいる。俺はこのままでいいのだろうか」と思う。
橋田は果たして立派に働く人間になれるのか、それとも悠々自適なドロップアウターか、橋田と“働かざる者たち”との熱い日々が幕を切る。
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