――どういうきっかけでこの作品が生まれたのか、教えてください。
岡田晋:元々僕が10年くらい前にWEBメディアで1話読切のスケーターの物語(『プロになりたいAくんと、スポンサーが欲しいBくん』)を書いていて、それがこの映画の原作です。その頃は全然映画の話とかはなかったんですが、今から10年くらい前に菊ちゃん(菊池)と再会して、2人の中で「スケートボードの映画を撮りたい!」ってなって、僕の原作をもとに菊ちゃんが脚本を立ててくれて、6年がかりで作ったのがこの「STAND STRONG」です。
菊池久志:今だからできた映画ですね。もっと時間がかかったらできないし…。
岡田:そうだね、お互いのタイミングが合ってたよね。
菊池:本当に良いタイミングで再会したプロスケートボーダーと、映像作家によって作られています。それに晋くんの持っていた原作が、いろんな意味でスケートボーダー以外の話でもあると思って。「光」と「影」というか、成功したらこうなるっていう人やそうじゃない人…を描いている作品ですね。
岡田:僕はありがたいことにスケートボードに関わること、例えばブランドとか大会とかいろいろなことをやらせていただいていて、次は自伝を書籍化するか映像化するか、もっと「スケートボーダー」という存在や良さを多くの人に知ってもらいたと思っていて、そのタイミングと菊ちゃんと会うタイミングがよかったよね。それでも6年かかったけど(笑)。
菊池:そうだね、かかったね(笑)。
――原作はイメージした人がいたんですか?
岡田:全然その時は考えてなかったです。そもそも原作はA君、B君で2人しかいなくて。映画で言えばKとRYOだよね。うまくいく人とちょっとのズレで駄目になっていってしまう人…スケートシーンをずっと見ているとやっぱりそういう人っていっぱいいるんですよね。
きっとどの業界でもそうだと思うんですけど。2人を4人のチームにしようっていう話は、脚本ができてからの監督とのディスカッションの中で生まれましたね。
――4人を選んだのはお2人で?またその理由は?
岡田:4人は僕が全部選びました。今のスケートシーンの中で目立つ子たちで、かつ脚本のキャラクターに合う人など、いろいろな角度からバランスをとって選んでいたらこの4人になりました。
――他の人には声掛けせず?
岡田:かけなかったですね。でも最初は僕たちの考えや熱量が伝わらなくて、3・4回振られた子もいましたね。大作(日高大作レイ)なんて、「やります!」っていった2日後に「やっぱり辞めます」って言ってきたり(笑)。
――大作さんっぽいですね(笑)。
岡田:そうそう。それに涼(佐川涼)なんかも、断られちゃって。
菊池:「映画って大変って聞いたので…」って自信ないって言ってたよね。
岡田:そうだね。今までの僕だったら1回断られたら、変なプライドもあって「じゃあいいよ」って別の人を探してたと思うんですけど、でも今回はどんなに考えてもこの4人がめちゃくちゃ理想に近かったので、珍しく何回も口説きましたね。
特に涼と大作は何回も。海斗(中田海斗)と崇(松本崇)は結構早かったですけどね。
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