毎週土曜夜7:00より、BS12 トゥエルビにて放送中の「土曜洋画劇場」。7月25日(土)は、レスリング界を揺るがす実話を基にした映画『フォックスキャッチャー』を放送する。
本作は、大富豪が元五輪金メダリストのレスリングコーチを射殺するという、1996年にアメリカで実際に起きた衝撃の事件を描いたサスペンス。
事実に基づきながらも、殺されたコーチの弟を物語の中心に据えることでドラマ性を増幅。大富豪の病んだ心や兄弟とのねじれた関係にもスポットを当てており、第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされるなど高く評価された。
中でも、大富豪・デュポンを演じたスティーブ・カレル、レスリング選手のマークを演じたチャニング・テータム、マークの兄で優秀なコーチ・デイヴを演じたマーク・ラファロの3人による演技合戦は一見の価値あり。
特に大富豪を演じたカレルは、レスリングを軽蔑している母親(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)に抱くコンプレックスや、心のバランスを次第に崩していく様子を見事に演じている。
「商業主義が始まった」と言われるロサンゼルス五輪後の、トップアスリートの世界を描いたことに加え、アメリカにおけるレスリングという競技の位置づけもしっかりと描かれており、スポーツ映画としても興味深い作品だ。
レスリング選手のマーク・シュルツ(チャニング・テイタム)は、母国開催となった1984年のロサンゼルス五輪で見事金メダルに輝くが、ある日大学のレスリングコーチを解雇されてしまう。
そんな中、大財閥デュポン家の御曹司であるジョン・デュポン(スティーブ・カレル)から突然のオファーが舞い込んでくる。それは彼が率いるレスリングチーム“フォックスキャッチャー”で、共にソウル五輪での世界制覇を目指そうというものだった。
夢のような話に飛びついたマークは、破格の年俸で契約を結び、デュポンがペンシルベニア州の広大な所有地に建造した最先端の施設でトレーニングを開始する。
だが、デュポンの度重なる突飛な言動と、マークの精神的な混乱がエスカレートするにつれ、二人の関係はじわじわと崩壊。ついにはマークの兄で、同じく金メダリストのデイヴ(マーク・ラファロ)を巻き込み、取り返しのつかない悲劇へと突き進んでいく。
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