そして、6月14日、108日ぶりに劇場での公演が再開。セットリストはチームS「重ねた足跡」で、井上もそのステージに立った。
「いつもの16人ではなくて6人での公演だったので、ファンの方に物足りないとか感じさせないように、私たちもレッスンでもっとああしようこうしようって、前日まで結構がっちり練習をして臨みました。久しぶりに劇場に立ってアイドルの衣装を着て、『やっぱりアイドルっていいな』『SKE48っていいな』って思いました」と井上。
観客が誰もいない劇場でのパフォーマンスに、どんなことを感じたかと尋ねると、「ファンの方がいないのってこんなに寂しいんだ、こんなに違うんだって思いました。例えば、今までは『キツい!』って思ったときでも、ファンの方の声援やペンライトを振ってくれる姿を見て、もっと頑張ることができたんですけど、それがなかったので寂しい気持ちもありました。でも、それはしょうがないことで。だけど、新しい試みとして、劇場のモニターにTwitterのファンの方の投稿を流していて、それが一番大きかったかなって思います。推しメンのペンライトの色の画像とか、コールの部分を文字で投稿してくれるのを見て、『離れていてもこうやって応援してくれているんだ』ってSNSのありがたみを感じました」とファンの存在について語った。
また、従来とは違う形式の公演の中で、新たに気付いたこともあったという。「(レッスンで)これはちょっと距離が近いんじゃないかってなって、立ち位置がガラッと変わったりもしました。『手をつなぎながら』という曲では、実際に手をつなぐ振りがあるんですけど、今はできないからどうしようってなったときに、画面越しに見てくれているファンの方と手をつなぐように手を差し伸べる振りにしようって考えました。6人での公演ということで、普段は何人かで歌っているパートがソロパートになったり、1人で画面に映るところも多くなったりしているので、ファンの方もそういうところで新しい発見ができると思うし、メンバーも新しく学ぶことがあって、SKE48の新しい挑戦になっているんじゃないかなって思います」。
一方、握手会は7月11日、12日に愛知県在住者限定とした「現地でオンライントーク会」という代替イベントが開催された。
「タブレットの画面越し、しかも4m距離を取っての会話だったので、始まる前は『どんな感じなんだろう?』『会話がちゃんとできるのかな?』って思いましたし、そもそも愛知県の方限定のイベントだったので『来てくれる方がいるのかな?』って不安でした。だけど、4m離れていてもファンの方の顔は思ったよりもはっきり見えましたし、直接ファンの方の顔を見て会話することもできました。ただ、イヤホンを付けて話すんですけど、時差が生じて会話がうまくできないときもありました。初めての試みだったので、それには申し訳ないなって思いがあるんですけど、でも実際にファンの方と会って話して、喜んでくれている顔を見ると、アイドルを続けてきてよかったなって思いました。自粛期間に自分のことを見詰め直して、『自分はアイドルとしてどうなんだろう?』って考えることもあったんですけど、1人で考え込んでいたのが無駄だったんだなって思うくらい、ファンの方の力って大きかったです」。
まだコロナ禍以前とは違った形での活動が続くことが予想される。今後の活動に向けた思いを聞いた。
「愛知県の方には会えたんですけど、まだお会いできていない方もたくさんいらっしゃって、私も寂しいし、メンバーもファンの方に早く会いたいという気持ちでいっぱいなので、今は自分たちにできることをしていきたいと思います。今回の自粛期間で、SNSで思いを伝えることがすごく大事だと学んだので、ファンの方にたくさん言葉で思いを伝えたいって思うし、ファンの方も私たちにたくさん気持ちを伝えてくださったらうれしいです。あとは、会えたときにファンの方に『かわいくなったね』とか『パフォーマンスが大きくなったね』とか、成長を見つけてもらえるように頑張るので、これからも離れずにずっと応援してくださるとうれしいです」。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)